遠藤よ輪島になれ!母校日大訪問 恩師の理事長エール

[ 2013年9月5日 06:00 ]

母校・日大を訪問した遠藤(中)は花束を贈られ、田中理事長(左)、大塚学長と記念撮影

 大相撲秋場所(15日初日、東京・両国国技館)で初土俵から所要3場所での新入幕となった遠藤(22=追手風部屋)が4日、東京・市ケ谷の日大本部を訪れ、恩師である日大相撲部総監督の田中英寿理事長、大塚吉兵衛学長に新入幕のあいさつを行った。大卒で唯一横綱になったのが同大OBの輪島。輪島の1つ先輩に当たる田中理事長はパワーアップして輪島のように横綱になることを期待した。

 出世が早すぎたため改名の機会を逸した遠藤は、本名のまま今春まで在籍した母校の本部を訪れた。「おかげさまで新入幕となりました」と報告すると、田中理事長らから昇進祝いの金一封と花束が手渡された。

 田中理事長は日大相撲部で輪島の1年先輩で、輪島とともに常勝・日大の礎をつくった。プロ入りこそしなかったが、3度アマ横綱になり、指導者としても大関・琴光喜ら多くの力士を育てて角界に送り込んだ。その田中理事長は、遠藤が横綱になれる存在だと捉えている。「輪島はうまさもあったが、パワーがあった。遠藤は相撲のうまさはある。幕内で戦うパワーをつければ輪島と同じようになれる」。今春に卒業したばかりの教え子が目標にしている横綱を引き合いに出し、大卒2人目の横綱昇進を期待した。さらに「輪島が“蔵前の星”と言われたが、遠藤もニックネームがつくように頑張ってほしい」と付け加えた。

 田中理事長は遠藤のハートの強さにも言及した。「3年のときに足をケガしたが、その苦労もあって精神的にも強いものがある。新十両で14番勝てたのも精神的な強さ」。新入幕場所に向けては「自ら考えて学んで行動する日大の理念の“自主創造”で頑張ってほしい」とエールを送った。

 恩師からありがたい言葉をもらった遠藤は「先生(田中理事長)にはケガしていたときも食事に連れて行ってもらったり、奥さん(優子夫人)にもいろいろお世話になった。東京のお父さん、お母さんです」と恐縮しきり。恩返しするには結果を出すしかない。「幕内で頑張りたい」。短い言葉に闘志をにじませていた。

 ◆遠藤 聖大(えんどう・しょうた)1990年(平2)10月19日、石川県穴水町出身の22歳。金沢学院東高から日大に進学。4年時の昨年、国体成年個人、全日本選手権を制した。今年春場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵。名古屋場所で新十両。得意は突き、押し、左四つ、寄り。1メートル83、146キロ。

 ◆田中 英寿(たなか・ひでとし)1946年(昭21)12月6日、青森県生まれの66歳。65年に日大に入学し、相撲部で活躍。3年で学生横綱になった。69年に農獣医学部に勤務し、同年に初のアマ横綱になった。73年、日大相撲部監督に就任。94年にJOC(日本オリンピック委員会)理事に就任。99年から日大理事。日本相撲連盟専務理事、国際相撲連盟事務総長として、相撲の国際普及にも努めてきた。08年に日大理事長に就任した。

 ▼大塚吉兵衛学長 遠藤の活躍で、在校生にいい刺激になると思う。伝統ある相撲で活躍することで、みんなが活気づくと思う。

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2013年9月5日のニュース