福島 女子200で惨敗「どうしてこんなに遅いのかなあ…」

[ 2013年8月16日 06:00 ]

女子200メートル予選で6位に終わり、悔しそうに髪をかき上げる福島

陸上世界選手権第6日

(8月15日 モスクワ)
 女子短距離のエースが惨敗を喫した。女子200メートル予選で、日本記録保持者の福島千里(25=北海道ハイテクAC)は23秒85で4組6位に終わり、準決勝進出を逃した。男子やり投げで09年大会銅メダリストの村上幸史(33=スズキ浜松AC)も予選で77メートル75にとどまり、決勝に進出できなかった。

 自嘲気味に笑い、そして泣いた。福島は得意の序盤で全くリードが奪えず、100メートル金メダリストのフレーザープライス(ジャマイカ)らに突き放されてフィニッシュ。日本記録22秒89に1秒近く及ばない23秒85で、予選4組6位に終わった。「どうしてこんなに遅いのかなあ。自分が思っていたのと全然、スピード感が違った。前半にリードできないと、私は後半に勝負できないので…」と快足ヒロインはうなだれた。

 11年大邱(テグ)大会では日本女子として初めて100&200メートルで準決勝に進出したが、昨年のロンドン五輪では2種目とも予選で惨敗。自らの走りを完全に見失い、年明けの日本陸連主催の短距離合宿では取り乱し、周囲を慌てさせるほど精神的に追い込まれていた。指導を一任していた北海道ハイテクACの中村監督からの自立をテーマにした今季も、ここまで納得いくような走りはできず。7月のアジア選手権以降、「とにかく全力でやってきた」と練習の質も量も高めてきたが、大舞台で待っていたのは厳しい現実だった。

 10年に100メートルで11秒21、200メートルで22秒89の日本記録をマーク。同年のアジア大会では史上初の2冠を達成した。爆発的な前半の飛び出しを見せていた、あの頃の輝きを取り戻せないでいる。「速かった自分はもういないから。また速くなるように頑張ります。とにかく前を向いて頑張ります。振り出しに戻るきっかけになったレースかなと思う」。過去の自分との決別を誓い、これからも走り続ける。もがき苦しんだ先に、光が差し込むことを信じて――。

 【女子】 ▽200メートル予選 「4組」(6)福島千里(北海道ハイテクAC)23秒85=落選

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