日本人初の快挙!瀬戸、ライバル“萩野超え”金メダル!

[ 2013年8月5日 06:00 ]

男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得し喜ぶ瀬戸

水泳世界選手権最終日

(8月4日 スペイン・バルセロナ)
 男子400メートル個人メドレー決勝で早大1年の瀬戸大也(19=JSS毛呂山)が4分8秒69で金メダルを獲得した。4泳法の総合力を競う個人メドレーでは、五輪を合わせ日本人初の世界一。金メダルを期待されたエースの萩野公介(18=東洋大)は4分10秒77で5位だった。昨年のロンドン五輪で代表入りを逃した瀬戸は、初出場の大舞台で同学年のライバル萩野を上回る見事な泳ぎを見せ、世界のメダリストの仲間入りを果たした。

 ラストスパート。萩野を振り切った瀬戸がこん身の力を振り絞って真っ先にゴールに飛び込んだ。4分8秒69。日本勢としてはこの種目で初の金メダルを獲得した。出場を逃したロンドン五輪から1年。悔しさを糧に急成長した瀬戸が大舞台で生涯最高の泳ぎ。1メートル74と体は決して大きくない19歳の新鋭が「自信を持って臨む」と挑んだ決勝で輝いた。

 予選は得意の潜水キックで飛び出すと、2つ目の背泳ぎで自分のタイムを確認。後半は力を抜く余裕を見せながら、萩野を上回る2位で通過した。上り調子の勢いを決勝にそのままぶつけ、萩野、ペレイラら有力選手を抑えた。

 2人で五輪に出る。萩野と瀬戸が交わした約束だった。だが、昨年4月のロンドン五輪選考会、3月にインフルエンザにかかった影響から3位に終わり涙をのんだ。「全然やる気がなくて」と練習に身が入らなかった。「でもロンドン五輪を見て、萩野が自信をつけて帰ってくる、だからもっと頑張らないと(差を)離されると思ってスイッチが入った」。一念発起し、昨年12月の世界短水路選手権では400メートル個人メドレーで優勝した。

 4月に早大に進学し、練習環境も整った。これまでは短水路のプールでの練習が主で、長水路の大会になるとどうしても後半にタイムが落ちてしまう弱点があった。だが、今は大学のプールと国立スポーツ科学センターの長水路で練習。0~25メートルと25~50メートルのラップタイムの差を梅原コーチから言ってもらい、常に後半を意識。5月のジャパンオープンでは400メートル個人メドレーで萩野を破るなど地力を付けてきた。

 萩野に劣らず、志は高い。「世界に視点を置かないと戦えない」と多種目でメダルを量産したフェルプスら米国のスターを目標にしてきた。「タフになりたい」と昨秋は短水路(25メートル)で争うW杯で世界各地を転戦し、平泳ぎやバタフライにも出場した。

 3年後のリオデジャネイロ五輪は複数種目で上位を狙う。最も得意とする400メートル個人メドレーで世界一。バルセロナで新たなスターが誕生した。

 ▼瀬戸大也 とても幸せです。今までの400メートル個人メドレーで一番短かった。

 ◆瀬戸 大也(せと・だいや)1994年(平6)5月24日、埼玉県生まれの19歳。JSS毛呂山―埼玉栄高―早大。昨年はロンドン五輪を逃したが、25メートルプールで争った12月の世界短水路選手権の男子400メートル個人メドレーで金メダル、200メートル個人メドレーで銀メダルを獲得。今年4月の日本選手権は200メートル、400メートル個人メドレーでともに2位。1メートル74、70キロ。血液型A。

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