白鵬 独走11連勝!13日目Vなら“ウルフ”超え

[ 2013年7月18日 06:00 ]

小手投げで鶴竜(左)を下す白鵬

大相撲名古屋場所11日目

(7月17日 愛知県体育館)
 26度目の優勝へ、白鵬が独走態勢に入った。鶴竜戦は土俵際に追い込まれたが、逆転の小手投げを決めて11戦全勝。1敗の琴欧洲と魁聖がともに敗れたため、早ければ13日目Vの可能性が出てきた。13日目に優勝を決めれば、千代の富士を抜いて最多5度目。今場所は苦しい相撲も執念でモノにしており、次々に記録を塗り替える第一人者に新たな勲章が加わりそうだ。

 起死回生の投げで全勝を守った白鵬は土俵上で思わず苦笑いを浮かべた。呼吸が合わずに、立ち合いでふわりと立ったことで苦戦を招いた。棒立ちになり、右を深く差し込んだ鶴竜の寄りに土俵際まで攻め込まれた。だが、タイミングよく左から小手投げを放つと、鶴竜が先に土俵を割った。館内は一瞬、静まりかえったが、白鵬が勝ち名乗りを受けるとようやく拍手が巻き起こった。ホッとした表情で支度部屋に戻ると「待ったと思って起き上がったら“残った残った”と言われた。(小手投げは)正直、ダメもとです」と顔をしかめた。

 予兆はあった。前夜は名古屋市内で中華料理を食べたが、朝起きると腹痛に襲われ、朝稽古を休んだ。師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は「腹が痛いと言っていた。疲れもだいぶたまっていた」と説明。加えてこの日はデビュー以来19連勝中だった付け人の三段目・石浦がまさかの敗戦。連鎖反応で4勝1敗と好調だった弟弟子の幕下・宝香鵬、内弟子の十両・大喜鵬も立て続けに敗れ、出番前から嫌な雰囲気が流れていた。自身も薄氷の勝利だったこともあり「今場所は土俵際で踏ん張って勝っている相撲が目立っている」と渋い顔だ。

 それでも、1敗の琴欧洲と魁聖が敗れて2敗に後退。独走状態に入って、歴代最多となる5度目の13日目Vが濃厚となった。白鵬は新たな記録については「初めてのことではないし、(場所を)引っ張っていくだけ」と淡々。支度部屋を出るときには足を滑らせてバランスを崩したが、とっさに立て直し。この日の相撲同様に「土」はつかなかった。

 ▼鏡山審判部長(元関脇・多賀竜)白鵬はあれで落とさないのか。普通なら寄り切られている。ここ何日は凄い。恐れ入ったよ。

続きを表示

この記事のフォト

2013年7月18日のニュース