飛ばし屋ルーキー渡辺彩香 ピチピチ初首位発進

[ 2013年7月6日 06:00 ]

5アンダーで首位タイスタートの渡辺彩香

女子ゴルフツアー 日医工女子オープン第1日

(7月5日 富山県富山市 八尾カントリークラブ=6476ヤード、パー72)
 大型ルーキーの渡辺彩香(19=ユピテル)が自己ベストの67をマークして初の首位に立った。雨による2時間半の中断でスタートが大きく遅れたものの、パットがさえて7バーディー、2ボギーの5アンダー。ここまで賞金ランク65位と振るわなかった将来性豊かな飛ばし屋がついに本領発揮した。木戸愛(23=ゼンリン)も5アンダーをマークし、4人がトップに並んだ。

 まもなくスタートという10番パー5のティーグラウンドで、渡辺は中断のホーンを聞いた。第1打を打つ前だったことを幸運と受け止め、2時間半後にいきなり2メートルに付けるバーディー発進。その後も雨上がりで軟らかいグリーンを攻めて、初めて首位に立った。

 「スコアカードをもらっている時に中断を聞きました。再開と同時にスタートができました」

 1メートル72の長身から、1Wは270ヤード近くぶっ飛ばす有望株。アイアンの切れもいい。だが、ここまでサントリー・レディースの23位が最高と、プロの厚い壁にはね返されてきた。理由はパットだ。

 「アイアンは通用すると思ったけど、パットが入らなかった」

 そこで、昨年までショットに偏っていた練習のバランスを、パットにも比重をかけた。「短いパットは自信をつけるしかない」。初日は7、8番で2・5メートルを決めたように、7バーディーのうち、5つが2メートルほどのチャンスを沈めたもの。成果が出て、19歳の顔がほころぶのも当然だった。

 静岡県熱海市生まれ。小学校の6年間は水泳で体を鍛えた。中学で頭角を現し、高校は強豪の埼玉栄へ進学。新幹線で2時間かけて自宅から通学する道を選んだ。昨年プロテストに合格し、既に2勝を挙げている同期同学年の比嘉が励みになっている。「だいぶ先に行ってしまいましたが」。

 母・和枝さん(46)の手料理が好きで「外食は慣れない。体重が3キロ減りました」と苦笑いするルーキー。しかし、ようやく大器の片りんを見せた。「好き」という夏を前に、思いっきりはじけてみせる。

 ◆渡辺 彩香(わたなべ・あやか)1993年(平5)9月19日、静岡県熱海市生まれの19歳。小3から本格的にゴルフを始める。中学時代の08年日本ジュニアに優勝し、埼玉栄へ進学。3年で団体戦全国優勝。予選会順位29位で今季出場。1メートル72、62キロ。福嶋晃子に憧れる。得意クラブは1W。

 ▼5位・福田裕子 雨でグリーンがかなり止まることを想定してピンの根元を攻めていけた。(再開後に3連続バーディー)

続きを表示

2013年7月6日のニュース