桐生 仏スポーツ番組で特集 世界選手権前に“海外デビュー”

[ 2013年6月7日 06:00 ]

日本選手権の前日練習で、笑顔でストレッチする桐生祥秀

 ワンダーボーイが世界に進出する。陸上男子100メートルで日本歴代2位の10秒01を持つ桐生祥秀(17=京都・洛南高3年)の特集がフランスのテレビで放送されることが6日、分かった。同国国営放送フランス2のスポーツ番組「STADE2」が企画。桐生が出場する、7日開幕の日本選手権(東京・味の素スタジアム)に取材クルーを派遣する。世界からの熱視線を受けて、世界切符へ激走だ。

 高校生がマークした10秒01の衝撃が、海を越える。激走した4月29日の織田記念国際から1カ月が経過したが、その注目度に減速の陰りはない。フランス国営放送のフランス2が、桐生の特集を企画していることが判明した。関係者が「フランス国内で最も人気があるスポーツ番組です」という「STADE2」が、日本短距離界のワンダーボーイを取り上げる。

 同番組のコンテンツは欧州サッカーなどが中心で、日本の陸上選手の特集は「異例中の異例。今までにないでしょう」と同関係者は話した。7日開幕の日本選手権に初出場する桐生を追うため、フランス2のアジア地区の取材拠点がある中国・北京からクルーが来日する。同国の短距離界では、10年7月に白人として初めて10秒の壁を突破したクリストフ・ルメートル(22)が有名。黄色人種初の9秒台を狙う高校生も、特集する価値は十分にある。

 日本陸連とフランス陸連は5月1日にパートナー協定を結んだ。その際の会見でフランス陸連のピエール・バイス会長代行(66)が「桐生君への期待は大きい。16年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを狙っていただきたい」と発言。世界の陸上関係者の間では桐生の存在は知られていたが、特集が組まれることで陸上関係者以外の注目度が増すのは必至だ。

 日本陸連が定めた世界選手権(8月、モスクワ)の派遣設定記録をクリアしている桐生は、日本選手権で決勝に進出すれば代表に決定。「STADE2」の特集の放送予定は今月下旬で、世界の大舞台を前にフランスのテレビで“海外デビュー”を果たす。番組に花を添えるためにも、トレビアンな快走を披露する。

 ▽世界選手権への道 8月10~18日にロシア・モスクワで開催。参加標準記録Aを突破している選手が日本選手権で優勝すると代表に決定する。また、日本陸連が定めた派遣設定記録をクリアしている選手は、日本選手権で入賞すれば代表に決まる。他の代表は参加標準記録A、Bを突破している選手のうち、日本選手権で3位以内に入った選手から選考。10日に発表される。

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