レスリング、野球とソフト、スカッシュが競技入り最終候補に

[ 2013年5月30日 01:48 ]

IOC理事会でレスリングが最終候補に選ばれ、日本レスリング協会の福田富昭会長(左)と喜ぶ吉田沙保里選手=29日、ロシア・サンクトペテルブルク

 国際オリンピック委員会(IOC)は29日、ロシアのサンクトペテルブルクで開いた理事会で、2020年夏季五輪で実施する残り1競技の最終候補にレスリング、統合した野球とソフトボール、スカッシュの3競技を選んだ。採用競技は9月のIOC総会(ブエノスアイレス)で、東京などが争う同五輪開催都市を選んだ翌日の8日に決まる。

 2月の理事会で除外の危機に陥った伝統競技のレスリングは、強豪の米ロや日本がアピールし、国際レスリング連盟(FILA)も組織改革に努めたことが功を奏し、実施競技存続へ道が開けた。五輪のために統合した野球とソフトボールも、3大会ぶりの復帰へ可能性を残した。

 空手、武術、ローラースポーツ、スポーツクライミング、水上スキーのウエークボードは落選した。

 最終候補は理事会での投票で決まり、レスリングは1回目で14票中8票を得て最初に通過し、野球とソフトボールは2番目だった。これに先立ち各競技がプレゼンテーションを行い、五輪採用を訴えた。

 IOCは2月の理事会で、昨年のロンドン五輪で実施した26競技からレスリングを除いた25の中核競技を選んだ。20年五輪はこの25競技に16年リオデジャネイロ五輪から採用のゴルフとラグビー7人制を加えた27競技の実施が決まり、最後の1枠が残っている。

 ▼鈴木義信・全日本野球協会副会長の話 一時劣勢が伝えられていたが、候補競技に選ばれてほっとしている。9月のIOC総会に向け、引き続きIOC委員ならびに国内外の世論にアピールしたい。

 ▼徳田寛・日本ソフトボール協会会長の話 大変安堵している。9月のIOC総会で、実施競技として選考されるために、最善の努力をしてまいる所存です。

 ▼下田邦夫・日本野球機構事務局長の話 今後も国際野球連盟と連絡を取り合い、五輪競技に復帰できるように、できる限り協力していく。

 ▼笠原一也・日本スカッシュ協会会長の話 大変喜ばしい。しかし、まだ予選通過という段階なので喜びも半分というところ。五輪競技になれば、(日本が)メダルを獲得する可能性も高い。正式競技となることを期待したい。

 ▼ポーター国際ソフトボール連盟会長の話 最初の壁を越えた。野球と統合したわれわれの努力が実った。残り一つに入れるようベストを尽くす。

 ▼ラロビッチ国際レスリング連盟会長の話 この成功を喜びたい。世界中のレスリング関係者に感謝したい。まだ戦いは終わってない。

 ▼フラッカリ国際野球連盟会長の話 今回の決定を喜んでいる。IOCの意向に従って、統合した成果が出た。まだ難しい戦いが残っているが、一つの枠に入れるように努力する。

 ▼ラマチャンドラン世界スカッシュ連盟会長の話 非常に画期的な出来事だ。スカッシュを信頼してくれた(IOC)理事会に感謝したい。(共同)

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2013年5月30日のニュース