琴欧洲、4連勝!「ヨーグルトの日」は勝率9割

[ 2013年5月16日 06:00 ]

<大相撲夏場所4日目>把瑠都(右)を寄り切る琴欧洲

大相撲夏場所4日目

(5月15日 両国国技館)
 ヨーグルトを愛する手負いのカド番大関が“特別な日”に会心の相撲を取り切った。左肘を痛めて先場所途中休場した大関・琴欧洲は関脇・把瑠都を寄り切り、初日から無傷の4連勝。「ヨーグルトの日」である5月15日にブルガリア出身の古参大関が意地を見せた。横綱、大関はこの日も安泰で、90年夏場所以来23年ぶりに4大関全員が初日から4連勝を飾った。

 「ちゃんこ鍋とヨーグルトって意外と合うんです」と題したブログを開設している琴欧洲にとっては、どうしても負けられない一日。それが5月15日「ヨーグルトの日」だ。把瑠都に対し、もろ差しの体勢をつくると「胸を合わせたくなかった」と頭をつけながら勝機をうかがって最後は力強く寄り切って4連勝。これで入門して以来5月15日は9勝1敗。この日が何の日か?と問われたカド番大関は「そんな変な質問しないで」と笑いつつ「ヨーグルトの日でしょ!」と“待ってました”とばかりに即答した。

 04年9月にブルガリア出身初の幕内力士となった琴欧洲もいまや史上4位タイの大関在位44場所。今年2月に三十路(みそじ)を迎えたベテランは1児のパパでもある。この日は食品会社の「明治」から贈られた「ブルガリアヨーグルト」の化粧まわしを締めて土俵に上がり23年ぶりの4大関初日から4連勝を実現させた。関係者も「ヨーグルトの日ということで化粧まわしを選んだ」と広告塔としての役割を自覚していることを明かした。
 
 3月に痛めた左肘に加え、今場所前には古傷の右膝を悪化させるなど満身創痍(そうい)。左肘の負傷では握力が低下し、体重11キロの愛息を抱けなくなった。それでも、全国約10カ所の治療院を回るなど、熱心なケアで回復した。

 唯一の優勝である08年夏場所もカド番だった。4月末には自らをスカウトした故先代佐渡ケ嶽親方(元横綱・琴桜)の功績を称えた「琴桜記念館」(鳥取県倉吉市)を訪問し、あらためて偉大さを実感。無傷の4連勝に「うれしいですね」とはにかんだ大関にとって、もう一花咲かせる条件は整っている。

 ▼ヨーグルトの日 ヨーグルトを世界に広めたロシアの医学者イリヤ・メチニコフ(1845~1916)の誕生日が5月15日であったため、ブルガリアヨーグルトを販売する「明治乳業」(現・明治)が、その日をヨーグルトの日とすると宣言。メチニコフはブルガリアに長寿者が多い理由がヨーグルトに含まれる乳酸菌を多く取っていることを突き止めた。

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