36歳人妻 茂木がメジャー初制覇「2人の母に感謝」

[ 2013年5月13日 06:00 ]

優勝トロフィーを手に笑顔の茂木宏美

女子ゴルフツアー ワールド・レディース・サロンパスカップ最終日

(5月12日 茨城県つくばみらい市 茨城ゴルフ倶楽部西コース=6669ヤード、パー72)
 プロ12年目のベテラン、茂木宏美(36=赤城CC)が逆転でメジャー初優勝を飾った。2打差の2位から出て、5バーディー、1ボギーの68をマーク。通算9アンダーで、11年のヨネックス・レディース以来のツアー通算6勝目を挙げた。若手が台頭する中、距離の出ない36歳は自らのプレーを徹底し、外国勢の大会4年連続優勝を阻止。母の日に最高の勝利をプレゼントした。

 ウイニングパットを沈めると、茂木は右拳でガッツポーズ。そして、グリーン脇で待つ夫の窪田大輔さん(31)の元へ向かうと、大勢のギャラリーの前で20秒間、強く抱き合った。昨夏に夢に見たというメジャー優勝が現実となり「本当にうれしい。プロゴルファーになれて幸せです」と涙を流した。

 首位に2打差でスタートし、1番パー4でバーディー。「きっちり刻もうと思った」という5番パー5は第3打の70ヤードを3メートルにつけ、バーディーを奪って首位に並んだ。8番パー3は4メートルを沈めてパーセーブ。「あそこで入ったのはラッキー。勝利の女神が私の方に向いていると思った」。続く9番パー4のバーディーで単独首位に立ち、そのまま逃げ切った。

 1Wの平均飛距離は235ヤード。飛ばし屋と呼ばれる選手と比べると40ヤード前後劣る。かつては距離を求め試合で力んだり、筋力トレーニングも導入した。若手が台頭し「いつまでゴルフをしようか」とモチベーションを失いかけた時もあった。だが10年10月に結婚し、夫から「限界までやればいい」と励まされ「メジャー優勝」を目標に設定。「飛んで曲がらない選手にどうやって勝つかを考えて」ミスのないプレーを追求した。100ヤード以内のショットを徹底して磨き、1Wに加え、5本のウッド(3、5、7、9、11W)を投入。飛距離不足を技と道具で補った。

 ツアーに同行する夫は炊事、洗濯、マッサージなど全てをサポートしてくれる。そして、記念すべき母の日の勝利に「主人のお母さんにも嫁らしいことを一切やってないけど、何も言わずにゴルフに送り出してくれている。2人の母に感謝したい」。この日の勝利が何よりのプレゼントになった。

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2013年5月13日のニュース