柔道女子代表コーチに薪谷翠氏が復帰

柔道女子代表コーチに復帰する薪谷翠氏

　柔道の女子ナショナルチームのコーチに０５年世界選手権女子無差別級金メダリストの薪谷翠氏（３２）が就任することが８日、明らかになった。

　薪谷氏はロンドン五輪まで代表コーチを務め、昨年１１月に発足した新体制でもスタッフ入りしていたが、１５選手による暴力指導告発をめぐる混乱でチームを離脱した。しかし先月、全日本柔道連盟の斉藤仁強化委員長から東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターの柔道場を管理する専任コーチの打診を受け、これを受諾。同時にナショナルチームのコーチ復帰が決まった。

　南條充寿監督体制の女子ナショナルチームは男性コーチ３人で始動しているが、将来の女性監督誕生に向け、女性指導者の育成も急務とされていた。そこで白羽の矢が立ったのが、薪谷氏と８月に英国留学から帰国するアテネ五輪７８キロ超級金メダリストの塚田真希氏（３１）。全日本女子選手権で女王の座を競い合った近年の重量級最強コンビがニッポン柔道の立て直しを図ることになる。また、薪谷氏が現在指導しているミキハウス柔道部は、拠点を大阪から東京に移す予定という。

　◆薪谷　翠（しんたに・みどり）１９８０年（昭５５）８月１５日、和歌山県出身の３２歳。大阪工大高（現・常翔学園高）―筑波大―ミキハウス。０１年全日本女子選手権優勝。世界選手権は０１年７８キロ超級で銀、０５年は無差別で金。得意技は小外刈り、つばめ返し。１メートル６３、現役時代は９３キロ。現在はミキハウス柔道部コーチ。