桐生に“9秒台シフト”出場試合に陸連強化スタッフ派遣

[ 2013年5月8日 06:00 ]

 ワンダーボーイに異例の“9秒台シフト”が敷かれる。4月29日の織田記念国際で10秒01のジュニア世界タイ記録をマークした桐生祥秀(よしひで、17=京都・洛南高3年)の今後の出場試合に、日本陸連が強化スタッフを派遣することが7日、分かった。高校総体など高校レベルの大会への派遣が予定されており、日本陸連関係者は「一高校生としては異例の対応になる」と話した。

 桐生の次戦は流動的だが、高校生の最大目標・高校総体へモチベーションは高い。京都府高校総体は5月31日、近畿高校総体は6月13日、全国高校総体は7月30日に開幕。94年に近畿高校総体で奈良・添上高の高橋和裕が男子200メートルで日本記録を樹立した例はあるが、同関係者は「最近は高校生が短距離種目で日本記録を出すなんて想定していない」と説明した。桐生は日本人初の9秒台を視界に捉えており、記録が出た際の対応などを含めて日本陸連強化スタッフが同行する。

 5日のゴールデングランプリ東京で、桐生は初めて黒人選手と激突。後半に突き放され10秒40の3位に終わったが、「中盤までは思った通りにいけた」と確かな手応えをつかんでいる。1日、洛南高陸上部の部室の黒板に書いた今季の目標は、「9秒96」。ワンダーボーイが“10秒の壁”を突き破る瞬間を、みんなが待っている。

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2013年5月8日のニュース