ウッズ言っちゃった「2ヤード下がって打ち直した」 失格免れるも批判の声

[ 2013年4月15日 06:00 ]

第3ラウンド、15番でパトロンの声援を浴びながらグリーンに向かうウッズ

USPGAツアー マスターズ第3日

(4月13日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 ルール違反でスタート前に2罰打を科されたタイガー・ウッズ(37=米国)は70をマーク。首位と4打差の7位に踏みとどまったが、失格を免れたスーパースターに対し、各方面から批判の声が上がった。石川遼(21=CASIO)は76で通算8オーバーの56位。69で回ったブラント・スネデカー(32=米国)とアンヘル・カブレラ(43=アルゼンチン)が通算7アンダーで首位に立った。

 ウッズはこの日、警備員3人に警護され会場入り。第3ラウンドがスタートした後に前日の成績が変更される異例の事態の中、1番パー4で第2打を1メートルにつけてバーディー発進。因縁の15番パー5でもピン3メートルに2オンさせバーディーを奪うなど動揺を見せなかった。

 ホールアウト後には「朝、連絡を受けるまでペナルティーの問題があることは全く知らなかった。15番でドロップをする時は次のショットのことばかり考えていた。正しい場所でなかったのは明白。過ちを犯してしまった」と釈明した。ただ、大半の出場選手は今回の裁定を受け入れたが、通常はスコアカード提出後に違反が見つかればスコアの過少申告で失格となるだけに、その対応を疑問視する向きも少なくなかった。マスターズ3勝のニック・ファルド(55=英国)は「ウッズは自分から失格となるべきだ。プレーを続ければ輝かしい実績に傷がつく」と出場を辞退すべきと主張した。

 バッシングが止まらないのは、ウッズが第2ラウンド後のインタビューで「(池ポチャした第3打は)強いと感じたので、2ヤード下がって打ち直した」とコメントしていたことに理由がある。ルールでは、できるだけ元の位置に近い場所にドロップしなければならなかったが、状況を改善する意図を持ってドロップすべき場所を変更したと、受け取れる発言だったからだ。かつて世界ランク1位を争ったデビッド・デュバル(41=米国)はツイッターで「タイガーは失格になるべき。アドバンテージを得るために(違う場所に)ドロップしたのだから」とつぶやいた。

 激しい逆風を受けながらもウッズは「まだプレーが続けられ、4打差。最終日は勝つチャンスがある」と話した。マスターズ4勝を含め、メジャーでは最終日に逆転優勝したことはないが、8年ぶりの優勝に視線を向けた。

 ▼ウッズの2罰打VTR 第2ラウンドの15番パー5、ウッズは第3打を池に落とし、ドロップ後に打ち直して1メートルに寄せボギーとした。打ち直しには2つの処置があり、ウッズが選択したゴルフ規則26―1aでは、最初の場所にできるだけ近いところから打ち直さなければならなかった。しかし、スコアカード提出後にテレビ視聴者から誤所と指摘があり、ウッズ自身も競技後に「2ヤード下がって打った」と発言していたため競技委員が13日早朝に本人を呼び出し確認。誤所からのプレーと判断し2罰打を科した。通常スコアカード提出後に違反が分かれば失格だが、今回は第2ラウンドのプレー中に競技委員が映像を確認し、一度は問題なしと判断していたことで例外措置が適用された。

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