萩野 6冠手応え、男子400個人メドレー日本新でまず1冠

[ 2013年4月12日 06:00 ]

男子400メートル個人メドレー決勝、4分7秒61の日本新で優勝した萩野公介

競泳日本選手権第1日

(4月11日 新潟県長岡市・ダイエープロビスフェニックスプール)
 競泳の世界選手権(7~8月・バルセロナ)代表選考会を兼ねた大会が開幕し、男子400メートル個人メドレーはロンドン五輪銅メダルの萩野公介(18=東洋大)が自らの持つ日本記録を1秒33更新する4分7秒61で2連覇した。6種目にエントリーしており、まずは1冠を獲得。同種目2位の瀬戸大也(18=JSS毛呂山)も4分12秒70で世界選手権の派遣標準記録を突破した。男子100メートル平泳ぎは北島康介(30=日本コカ・コーラ)が1分0秒78で制した。

 2位に5秒09の大差をつけての日本記録更新。ぶっちぎりの2連覇で6冠に向け、萩野が順調なスタートを切った。前半のバタフライ、背泳ぎは日本記録を出した五輪より1秒87も速い1分57秒31。惜しくも目標の4分6秒台に届かず「日本新というより自己ベスト」としたが、充実感を漂わせた。昨年12月から指導する日本代表の平井伯昌ヘッドコーチ(49)は「ちょっと残念だが、五輪後は400メートル個人メドレーはいい泳ぎができていなかった。あくまでも通過点」と評した。

 積極的なレースプランに挑み、萩野は「最後の自由形でへばった。お尻の穴が緩むような感じで力が入らなかった」と苦笑い。その一方で手応えもつかんだ。「金メダルを獲りたい」という7月の世界選手権の目標はロンドン五輪金メダルに相当する4分5秒台。「最後のきつさを味わえた。6秒台を出すより、いいレースができた」と世界の頂点に立つイメージは描けた。

 高校を卒業し、環境が変わった。当初はこの種目の金メダリストのロクテ(米国)が練習拠点とする米フロリダ大への進学を希望したが、両親から「18歳で渡米して通用するほど甘くない」と猛反対された。最後は自ら決断し、東洋大の監督を務める平井コーチに電話で指導を願い出て、同大に進学。現在はチーム平井の北島、松田、寺川らトップスイマーと練習している。「(平泳ぎのホープ)山口君もいて楽しいみたいです」と母・貴子さん(49)。北島も「世界一強いチーム」と評する環境で順調に成長を続けている。

 残りは5種目。12日は「ポイント」と話す200メートル自由形と100メートル背泳ぎの2種目に出場する。両種目の決勝開始時間は21分しかあいていない。過酷なレースを強いられるが「(3月の)オーストラリアの大会で間が10分でいけたので問題ない」とキッパリ。18歳が次なる頂点を目指す。

 ◆萩野 公介(はぎの・こうすけ)1994年(平6)8月15日、栃木県小山市生まれの18歳。東洋大1年。生後5カ月でベビースイミングを始め、小2時のジュニアオリンピック杯(9歳以下)で50メートル背泳ぎと200メートル個人メドレーで全国初優勝。作新学院高1年時にパンパシフィック選手権日本代表。同3年時にロンドン五輪男子400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した。1メートル75、70キロ。

 ▽競泳世界選手権代表選考 個人種目の代表は最大で2人まで選べる。原則として、日本選手権の決勝で日本水連が定めた派遣標準記録を突破し、2位以内に入った選手を代表とする。ただし、ロンドン五輪の個人種目でメダルを獲得した選手はその種目に限り、出場すれば最優先で選ぶ。枠が余れば別の基準で選考する場合もある。400メートル、800メートルリレーの代表は100メートル、200メートル自由形の結果で選考。

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