松山プロ転向「世界で勝てるプレーヤーに」グランドスラム目標

[ 2013年4月3日 06:00 ]

日本プロゴルフ協会の会員証を手に笑顔の松山

 男子ゴルフの松山英樹(21)が2日、在学中の東北福祉大で会見を行い、プロ転向を表明した。「世界で勝てるプレーヤーになりたい」と抱負を語り、海外メジャー4大会全てに優勝するグランドスラムを目標に掲げた。学生の試合には出場しないが、今後も4年生として同大に在籍し、学生プロとしてツアーに参戦する。初戦は18日開幕の東建ホームメイト・カップ(三重・東建多度CC名古屋)となる。

 緊張の第一声。約100人の報道陣を前に宣言した。「私、松山英樹は本日、プロに転向することを表明いたします」。その瞬間、プロゴルファー松山英樹が誕生した。

 「世界で勝てるプレーヤーになりたい」と言う松山。11、12年とマスターズでは2年連続予選通過し、11年は27位でベストアマにもなった。「メジャーに勝ちたい。マスターズだけでなくメジャーは4つあるんで、全部勝てるようになりたい」。史上5人しか成し遂げていないグランドスラムを目標として掲げた。決して冗舌なタイプではないが、晴れの日に出たのは同い年のライバル、石川遼が描く「マスターズ優勝」よりも大きな夢だった。

 今月のマスターズには出場できないものの、既に全英オープン(7月、英国ミュアフィールド)の出場権を確保。「(全英で)上位に行くには何をすれば良いのか考え、それまでの試合を戦いたい」と言う。5月末の全米オープン国内最終予選にも挑戦する。

 アマで出場した11年三井住友VISA太平洋マスターズにも優勝。今季終了までのシード権を確保できる状況だった。アマとしてマスターズへの推薦出場を探ったため、転向がずれ込んだが、昨季出場6試合中4試合でトップ10入り。プロなら賞金ランク19位に相当する約4870万円を稼いだ計算で、実力は疑いようがない。

 前日までに関係各所にあいさつ。この日、PGAに入会金40万円、年会費4万2000円、JGTOに登録料1万円、選手会費1万円を払い込み手続きを完了。会員証も受け取った。今後もゴルフ部主将を務め寮で生活。当面は所属も大学で、大学のウエアでプレー。大学の先輩の進藤大典キャディー、金田相範トレーナーを帯同する。

 米ツアーのチューリッヒ・クラシック出場を打診されたが辞退。全英前までは国内に専念する。「(プロとアマでは)一打の重みが違うと言われるが、今まで通り一打一打真剣にプレーすればプレッシャーもなくなる」と話す学生プロの表情には早くも風格が漂っていた。

 ▽グランドスラム 海外メジャー4大会全てに勝つこと。生涯のうちに達成する「キャリア・グランドスラム」と「年間グランドスラム」がある。男子ではマスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロがメジャーと定義されて以降「年間グランドスラム」達成者はいない。「キャリア・グランドスラム」達成者はジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ジャック・ニクラウス、タイガー・ウッズ(いずれも米国)、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)の5人。

 ◆松山 英樹(まつやま・ひでき)1992年(平4)2月25日、愛媛県松山市生まれの21歳。4歳でゴルフを始め、高知・明徳義塾高から東北福祉大へ進学。高校2年時に全国高校選手権優勝。大学では2、3年時に日本学生選手権連覇。10、11年にアジア・アマチュア選手権を制し、それぞれ翌年のマスターズ出場権を獲得。マスターズでは11年は27位でローアマ、12年は54位。11年三井住友VISA太平洋マスターズでアマとして倉本昌弘、石川遼に次ぐ史上3人目のツアー優勝。1メートル80、85キロ。

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2013年4月3日のニュース