沙羅 快挙にあと1・5メートル 男女混合で夢の続き

[ 2013年2月24日 06:00 ]

ジャンプ女子個人で2位になり、ガッツポーズで喜ぶ高梨沙羅

ノルディックスキー 世界選手権第3日

(2月22日 イタリア・バルディフィエメ)
 ジャンプ女子(HS106メートル、K点95メートル)で高梨沙羅(16=グレースマウンテン・インターナショナル)は104・5メートル、103メートルの合計251・0点で2位に入った。同選手権での最年少優勝はならなかったが、日本女子初のメダルとなる「銀」に輝いた。W杯昨季総合女王でサラ・ヘンドリクソン(18=米国)が初優勝。複合個人ノーマルヒルでは加藤大平(28=サッポロノルディックク)が6位と健闘し、エース渡部暁斗(24=北野建設)は9位だった。

 金メダルまでわずか2・7点だった。距離に換算すればあと1・5メートル。だが、届かなかった。それでもジャンプ女子の新たな歴史を刻み、高梨はホッと息をついた。「2回とも納得のジャンプ。金を目指して練習してきたけど、メダルを獲れたのはホッとしている」

 W杯総合優勝を決めたスロベニアのジャンプ台は助走路の傾斜が急で、今大会の緩やかな台とは対照的。大会前には「飛び出しで迷いがある。前の台の感覚が残っている」と珍しく弱気な発言もあった。この日の試技でもタイミングが合わず「不安だった」という。

 1回目は直前に飛んだヘンドリクソンがヒルサイズの106メートルまで伸ばした。高梨も大ジャンプが必要な状況で「助走をゆっくりしっかり組むこと」を心掛けた。言葉通りに飛び出すと104・5メートル。会心のジャンプにガッツポーズと笑みが自然とこぼれた。

 2回目もヘンドリクソンと同じ距離を刻んだが、勝負を分けたのは飛型点の差だった。高梨は着地が2回ともきっちり決まらず、ヘンドリクソンに飛型点で7・0点劣った。「そこが私の弱さ。テレマークはこれからの絶対的な課題になる」と反省も忘れなかった。

 それでも試合後は普段以上に笑顔が目立った。敗れたとはいえ、納得のジャンプとライバルとの息詰まる“沙羅サラ対決”。勝つことと同じくらい得るものはあった。24日の男女混合団体には日本のエースとして臨む。金メダルを手にするチャンスはまだ残されている。

 ▽ジャンプ男女混合団体 世界選手権では初採用。各国男女2人ずつの計4人で1チーム。各選手が2本ずつ飛び、合計点で順位を争う。初開催された昨夏のサマーGPでは、日本は高梨もメンバーに入って2戦で優勝と2位。昨年11月にはW杯で初実施され、日本(高梨、伊藤有希、渡瀬雄太、竹内択)はノルウェーに次いで2位だった。

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