レスリング五輪存続へ決起 宿敵の米イラン共闘も

[ 2013年2月20日 19:22 ]

 2020年夏季五輪からレスリングが除外候補となったことを受け、男子のワールドカップ(W杯)が開かれているイランの首都テヘランで20日夜、参加各国の選手団関係者が、五輪存続を目指して協力することを確認する会合を開くことが分かった。日本選手団の田南部力監督が明らかにした。田南部監督は、レスリング存続に向けた「決起集会」になると話している。

 イランのレスリング協会関係者によると、会合はW杯の主催国イランが呼び掛け、日本やロシアのほか、イランと断交している米国など参加国全てに出席を要請したという。核開発疑惑などをめぐり対立するイランと米国の共闘関係が実現するか注目される。

 W杯はグレコローマンスタイルとフリースタイルで行われており、13カ国が参加している。日本からは田南部監督と井上謙二コーチが会合に出席する予定。

 17日まで開かれた国際レスリング連盟(FILA)理事会のような決定力は持たないが、AP通信によると、米国代表のミッチ・ハル・ディレクターは「われわれはイランと手を組み、さらにほかの国々と同じようにロシアとも協力するだろう」と話し、イランと連携する姿勢を示した。

 イランのレスリング協会関係者は、レスリングが五輪の実施競技から除外されることを回避するために「何をすべきかを話し合うこと」が目的と説明。米国との交渉については「この問題に関し、これまで直接的な対話は行っていないが、レスリングは米国でも重要な競技。イランにとっての良きライバル国の一つだ」と述べた。

 W杯には11年世界選手権の上位国が出場。日本は21日からのフリースタイルに選手団を派遣している。(共同)

続きを表示

2013年2月20日のニュース