カー娘だけど…美余主将「男気あふれるプレー」でV3達成

[ 2013年2月18日 06:00 ]

<北海道銀行・中部電力>第9エンド終了後に相手のギブアップで3連覇が決まり小さくガッツポーズをして喜ぶ市川(左から2人目)と(左から)清水、藤沢、松村

カーリング日本選手権最終日

(2月17日 札幌市・どうぎんカーリングスタジアム)
 女子決勝は市川美余主将(23)率いる中部電力が北海道銀行を9―4で下し、大会3連覇を達成した。午前中の準決勝でロコ・ソラーレ(LS)北見を9―6で下し、午後の決勝でも第6エンドに大量5点を挙げ、1次リーグで敗れた北海道銀行に大勝。来年のソチ五輪出場権が懸かった3月の世界選手権(16~24日、ラトビア)の代表の座を得た。男子はSC軽井沢クラブが4年ぶり4度目の優勝を果たした。

 終盤の第9エンド。北海道銀行がギブアップを宣言し、3連覇を飾った中部電力の5人は安どの表情を浮かべた。市川は「(世界選手権出場権は)誰にも譲りたくなかった。(第6エンドに)5点取れたのが大きく、気持ちの余裕が生まれた」と喜びを爆発させた。

 目指している「攻撃的な男らしいプレー」を発揮したのが3―2で迎えた第6エンドだった。序盤からハウス(円)内中央にストーンを密集させ、最後の投球者(藤沢)を迎えた段階で相手のストーンより中心側に4個(4点)を置いた。北海道銀行の最後の投球を清水が置いたストーンが阻み、チャンスが拡大。藤沢が正確なラストショットで大量5点をゲットした。

 ストーンをためる戦術はハイリスクハイリターンだが、シーズン中も週2回ずつ行うピラティスと筋力トレーニングで体幹と下半身が安定し、氷を掃くスイープ力が向上。藤沢も「5点決めればショックを与えられると思った」と話し、市川も「男気あふれるプレーができた」と振り返った。

 1次リーグは北海道銀行に敗れて3位通過。しかし、藤沢は「落ち込む部分もあったけど、うまく切り替えられた」とメンタル面の強さを強調した。4日からの現地合宿では各自で音楽を聴いたり、DVDを見たりしてリラックス。トレーナーも同行させてコンディションに細心の注意を払った。

 1カ月後には五輪切符を懸ける戦いに臨む。「(他のチームを)泣かせて私たちが行くので、日本代表として頑張りたい。目・耳・鼻、全部で(世界を)感じてきたい」と市川。ソチ五輪を目指し結成して4年目。夢実現へ、大きな一歩を踏み出した。

 ▼リード・松村千秋 最初はシーソーゲームでドキドキしたけど勝ててうれしい。一投一投に集中して投げられた。

 ▼セカンド・清水絵美 決勝でも力強いスイープを発揮できた。世界選手権に向けてさらに技術を磨いていきたい。

 ▼フィフス・佐藤美幸 みんななら大丈夫だと思っていたので緊張せずに安心して見ていられた。ケガもあったけど、チームメートにずっと支えられた。

 ▽カーリング女子のソチ五輪への道 五輪出場枠は開催国ロシアを含めて10カ国。3月にラトビアで開催される世界選手権と、昨年の同選手権の2大会の成績で上位7カ国が決定。残り2枠は12月の世界最終予選で決まる。日本は昨年の選手権に出場していないため、今年の大会で五輪切符を得るには好成績が必要となる。9月の日本代表選考会は五輪代表か、最終予選の出場チームを決める場となり、中部電力と北海道銀行、札幌国際大、LS北見で争う。

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