真央圧倒V バンクーバー以来200点超え

[ 2013年2月11日 06:00 ]

フリーの演技を終え笑みを浮かべる浅田

フィギュアスケート四大陸選手権最終日

(2月10日 大阪市中央体育館)
 久々に大台を突破した。女子フリーで、浅田真央(22=中京大)が今季自己ベストの130・96点をマーク。合計を205・45点に伸ばし、2位の鈴木明子(27=邦和スポーツランド)に15点以上の大差をつけて圧勝した。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、3―3回転は回転不足だったが、10年バンクーバー五輪の205・50点以来、3年ぶりに200点超え。今季5戦全勝とし、キム・ヨナ(22=韓国)と激突する世界選手権(3月13日開幕、カナダ・ロンドン)へ、大きな自信を手に入れた。

 完璧な内容じゃなくても大台を突破したことが、浅田の強さの証だ。前日(9日)のSPで決めたトリプルアクセルも、今季初挑戦の3―3回転のコンビネーションも、回転不足を取られた。ダブルアクセル―3回転でも回転が足りず、3回転サルコーは2回転に。ジャンプでミスがありながら、スコアは205・45点。SPで1度、フリーで2度のトリプルアクセルを決めた、バンクーバー五輪の205・50点の自己ベストに肉薄だ。

 「SPでバンクーバー以来の70点超えをしていたし、200点も出せるかなと思っていた。得点としては戻ってこられた実感がある。バンクーバーの時より質の良いジャンプができている」

 白鳥の羽をイメージした新衣装に身を包んだフリー。74・49点の高得点を叩き出したSPよりスピード感に欠けたが、ジャンプ以外の項目で得点を稼いだ。3度のスピンは全て最高難度のレベル4を獲得し、5項目の演技点でもオール8点超え。トリプルアクセルと3―3回転が入った新構成の完成度は浅田の分析では、まだ「30%」と言う。「SPは練習以上のものが出せたし、フリーは練習通りだった」。完成途上ながら、昨年12月に金ヨ児がマークした201・61点の今季世界最高も超えた。

 昨季終了後、スケートへの意欲を失った。世界選手権で自己ワーストの6位に沈んだことが理由ではない。懸命にトレーニングに励みながら、自らが納得する演技には程遠い現実に心が折れた。「あと何百時間、練習すれば満足できる演技ができるんだろう。これだけ練習をやっていい演技ができないんだったら、やめるしかない」と関係者には打ち明けていた。どん底から始まった今季。着実に前進し、9日のSPでトリプルアクセルを決め、フリーで3―3回転を投入できる段階までレベルを上げてきた。

 3季ぶりの金メダルを狙う3月の世界選手権では、キム・ヨナと激突する。11年世界選手権以来、2年ぶりの再戦だ。ジュニア時代からしのぎを削り、バンクーバー五輪は、当時19歳の2人で頂点を争った。「注目されて大変な思いもした」。同い年の宿敵として意識した時期もあったが、今は違う。「自分のできる最高の滑りをすることを目標にしたい。自分に挑戦したい」。黄金の満足感を得られるのは、「浅田真央」というライバルに勝った時だ。

 ▼佐藤信夫コーチ (浅田は)あとひと息。気持ちが安定して、積み重ねてきたものが形になりつつある。今現在はかなり順調に進んでいる。

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2013年2月11日のニュース