下町ボブスレー2号機開発 職人の技術で五輪へ

[ 2013年2月9日 18:34 ]

「下町ボブスレー」2号機開発で包括協力協定を結び、記念写真に納まる関係者。手前は1号機

 来年のソチ冬季五輪を目指し、初の国産の「下町ボブスレー」を手掛けた大田区産業振興協会と日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟が9日、包括協力協定を結び、二人三脚で2号機の開発に着手すると発表した。1号機は3月に米国での大会で国際デビューの準備を進めており、東京都大田区の町工場が中心となった「職人の技術」で世界に挑む。

 男子2人乗り用で開発する2号機は選手の意見を最大限に取り込み、9月の完成を目指す。東京都内で記者会見したプロジェクト委員長で金属加工会社の細貝淳一社長(46)は「1号機から改良を重ね、国際大会でどんどん走れる世界最速のマシンをつくりたい」と語った。

 「氷上のF1」と呼ばれるボブスレーは欧州製が主流で、強豪国のそりは自動車メーカーのフェラーリやBMWなどが手掛ける。日本も過去の五輪では外国製を使用した。「下町ボブスレー」の1号機は国内約30社が骨格部分のパーツを製作し、ボディーの設計も日本企業が担当。昨年12月に長野市スパイラルで行われた全日本選手権の女子2人乗りで実戦デビューし、初陣を飾った。

 今後の課題は振動を抑える仕組みや操作性という。日本連盟の北野貴裕会長(49)は「完成度の高さには驚く。日本の技術と英知を結集した国産で戦えることに越したことはない」と期待を込めた。

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