告発女子選手が声明 徹底抗戦の構え、選手側に古田氏代理人

[ 2013年2月5日 06:00 ]

柔道女子日本代表の園田隆二前監督の暴力問題について、記者会見する選手の代理人の辻口信良弁護士(右)

 全柔連の暴力問題を告発した女子選手15人の代理人が4日、大阪市内で緊急会見を開き、選手の声明を発表した。具体的な要求は挙げなかったものの、園田隆二前代表監督の辞任による事態の幕引きを懸念。「強化体制やその他連盟の組織体制の問題点が明らか」になるまでは徹底抗戦する構えを示した。かつてプロ野球ヤクルトの古田敦也捕手の代理人も務めた、辻口信良弁護士(65)は選手軽視の全柔連再編を訴えた。

 当日に急きょアナウンスされ、大阪弁護士会で行われた記者会見。そこで示されたのは園田監督の辞任で幕引きを図ろうとする全柔連に対する15選手の根強い不信感だった。選手らは参加しなかったが、代理人の辻口氏と岡村英祐弁護士(33)が代弁。「園田監督が辞任して終わりではありえない。全柔連は(これから行われる)選手に対する事情聴取を真摯(しんし)に受け止め、自ら改革の方向に向かってもらいたい」と語った。

 選手側が辻口氏と接触したのは先月20日。前日には代表強化合宿中の選手に、園田監督に対する戒告処分と問題の経過などが説明されていた。必死の訴えにもかかわらず続投が決まったことで、納得できなかった選手が代理人起用を決めたものとみられる。辻口氏は古田敦也氏(元ヤクルト)の代理人として日本プロスポーツ界の代理人の先駆けとなった人物。関係者の紹介を経た選手から「全柔連にもJOCにも分かってもらえない」と訴えられ、「できるだけバックアップしてあげたかった」と説明した。

 選手側は今後JOCの聞き取り調査に全面協力し、全柔連の問題点を明らかにしていく意向だという。柔道界のゴタゴタは当分の間続きそうだ。

 ◆辻口 信良(つじぐち・のぶよし)1947年(昭22)11月27日、石川県出身。関西大学法学部を卒業し、83年に弁護士登録。91年にスポーツに関わる法律問題に取り組む「スポーツ問題研究会」を作り、代表に就任。92年には日本プロスポーツで初めての例として古田敦也氏の選手代理人を務め、競泳の千葉すず氏やサッカーの宮本恒靖氏らの代理人も務めた。大阪弁護士会所属。

続きを表示

2013年2月5日のニュース