柔道部顧問が授業で体罰 汎愛高 常態化の可能性も 大阪市教委 調査せず

[ 2013年2月1日 12:54 ]

 大阪市教育委員会は1日、市立汎愛高で昨年4月、柔道部顧問の50代の男性教諭が、授業中に柔道部員で3年生の女子生徒を平手打ちする体罰をしていたことを明らかにした。学校側は同年6月に市教委に報告したが、担当者が上司に報告せず、市教委は詳細な調査をしていなかった。

 市教委はこの柔道部員の事案以外に、汎愛高で過去に複数の体罰があったとも発表。詳細は明らかにしていないが、体罰が常態化していた可能性がある。大阪市の市立高では、桜宮高で体罰を受けたバスケットボール部の男子生徒が自殺している。

 汎愛高には普通科、体育科、公立校では全国唯一の武道科があり、市立高で体育科があるのは同校と桜宮高だけ。

 ロンドン五輪の女子柔道78キロ超級で銀メダルの杉本美香は武道科の卒業生。

 市教委によると、教諭は和歌山県で実施した武道科の校外実習で、下級生に絞め技をかけた女子生徒を止めるため、頬を2、3発たたいた。教諭は「何度か注意したが聞かなかったので制止した」と説明している。今年1月の市民からの通報で、市教委の幹部が把握することになった。

 橋下徹大阪市長は1日、市役所で記者団に「事実を確認できていないが、放置できる問題ではない」と述べた。

 汎愛高の今年の入試については「(市立桜宮高とは)自殺者が出たかどうかで全然違う」と継続したい考えを示す一方、「全クラブ活動が停止されることも前提に、受験生には考えてほしい」と呼びかけた。

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2013年2月1日のニュース