やくみつるさん「どのような指導効果的か学ぶべき」

[ 2013年1月31日 06:00 ]

女子柔道トップ選手 暴力、パワハラ告発 

 女子柔道選手に対するパワハラ問題による選手の告発について、各界の識者がコメントを寄せた。

 ▼谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)選手が集団で監督を告発する行動に出たのは珍しいケースだ。競技の世界では「指導者を告発するというのは許されない」という不文律が貫徹しているが、選手にとって、よほど許せない思いが強かったのだろう。日本代表をめぐっては「(代表になった)重さを知れ」と当たり前のように言われ、何でもまかり通ってしまう体質があり、埋もれている問題はほかにもかなりあるだろう。このまま放置するとスポーツ界の荒廃が進んでしまう。

 ▼長田渚左さん(ノンフィクション作家)日本では、殴って育てられた人が指導者になり、その人も教える時に殴るという悪循環になっている。精神を鍛え上げ、上の者が下の者に教えてやるという感じが強い。選手ファースト(第一主義)ではなく指導者ファーストだ。欧米では殴ったら永久追放される事例もある。20年に五輪を招致しようという国なのだから、スポーツそのものを見つめ、選手が自発的に練習できるためにコーチや監督はどのような役割がいいのかを考えていかないと、体罰問題はますます深刻化していくだろう。

 ▼やくみつるさん(漫画家)相撲部屋でも散見された体罰問題が、五輪代表を率いるようなトップクラスのスポーツ指導者にまで来てしまったかという思いだ。トップアスリートが現場から即指導者になるのがいいという、体育会系独特の論理があるのかもしれないが、意識の高い人は自ら教育を受けている。どのような指導が効果的かを学べば、こういう問題は避けられるはず。指導者になった後でもいいから、そういう教育カリキュラムを義務付けるような環境を、スポーツ界全体でつくっていかなければならないのではないか。

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2013年1月31日のニュース