錦織 ストレートで3回戦へ「ここからが勝負」気合入れ直し

[ 2013年1月17日 06:00 ]

ストレート勝ちで3回戦に進出した錦織圭

全豪オープンテニス第3日

(1月16日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 男子シングルス2回戦で、世界ランク18位で第16シードの錦織圭(23=日清食品)が同68位のカルロス・ベルロク(29=アルゼンチン)を7―6、6―4、6―1のストレートで下し、3年連続3回戦進出を果たした。伊藤竜馬(24=北日本物産)と女子シングルスの土居美咲(21=ミキハウス)は2回戦で敗退。女子ダブルスに出場したクルム伊達公子(42=エステティックTBC)は逆転勝利でシングルスに続き、初戦を突破した。

 観客席で「日の丸」の旗が激しく揺れる中、2時間18分で格下を退けた錦織が安どの表情を見せた。左膝に不安を抱える中での3回戦進出。それでも「70点」と自己評価は厳しかった。

 第1セットは、平均時速190キロ超の強烈なサーブを誇るベルロクに苦しめられた。「しぶとくて、しつこいプレーヤー。下がってプレーするので、やりにくかった」5―6で迎えた第12ゲーム。一度は相手にセットポイントを与えたが、そのピンチをしのぐと、最後はサービスを決めてこのゲームをキープ。タイブレークでは4―3の勝負どころで、強気なショットを連発。相手のサービスを2度ブレークし流れを引き寄せた。

 この日も前哨戦のブリスベーン国際で痛めた左膝には予防のためのテーピングを施された。錦織は「問題ない」とプレーに集中。昨年に続くシードでの出場にプレッシャーがかかる中で「勝って当然と無理に思い込まないと、上には行けない」と精神的にも追い込んで逆境を乗り越えた。

 昨季から4大大会で戦うための肉体改造に着手。体幹を強化したことでプレーの安定感が増し「猫背のようだ」と指摘されてきた姿勢も良くなり、成績にも反映されている。担当トレーナーは、長年ランクの上位に君臨するフェデラー(スイス)を引き合いに出し「ケガが少ない要因は、きれいな打ち方にある」と指摘。今後、筋持久力などを高めてラリーで崩されても無理な体勢で打つことを減らせば、ケガ防止にもつながる。それが日本のエースの課題だ。

 3回戦の相手は世界ランク82位のエフゲニー・ドンスコイ(22=ロシア)。格下ながら2回戦で第23シードのミハイル・ユーズニー(ロシア)をフルセットの末に下した難敵だ。89年12月生まれの年男は「巳(み)年について、あまり良い言葉は思い浮かばないですけど…」と苦笑いしながらも、「(年男は)12年に1回しかない、この年を大事にしたいし、飛躍の年にしたい」と前向きに語る。目標に掲げる4大大会初の4強入りに向け、「ここからが勝負」と気合を入れ直した。

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