駒大 待望の絶対的エース誕生 窪田「東洋に完敗したあの悔しさ忘れない」

[ 2013年1月1日 10:49 ]

“この足でチームを引っ張る!”とばかりに意気込む駒大3年生の窪田

第89回箱根駅伝

 2000年以降6度の優勝を誇る駒大が過去4年間は東洋大や早大の後塵(こうじん)を拝してきた。「駅伝は足し算ではない」と言われる通り、1万メートル28分台の高速ランナーを多数そろえながら、勝てない年が続いている。いい流れをつくる、もしくは悪い流れを断ち切る、絶対的エースの不在が敗因の1つだった。

 そんな中、窪田忍(3年)が待望のエースに成長した。過去2度の箱根は7区と9区で区間賞を獲得。今年11月の全日本では最終8区で東洋大との1分7秒差を逆転して2連覇に導いた。

 「ここ一番で外さないのがエースだと思う。2年生まで自覚はなかったけれど、意識が変わった」と精神的にもひと皮むけた。

 3月のびわ湖毎日では初マラソンに挑む。大八木監督は「窪田は自分から希望してきた。マラソンは自分から取り組まないとできない」とその心意気を評価する。過去にもトップ選手にはマラソン挑戦を勧めてきたが、長い距離への不安や途中の挫折でスタートラインに立てた選手は近年いなかった。

 窪田は「藤田さんもびわ湖で結果を出した。2時間10分を切りたい」と目標を設定する。頭の中に描くのは、かつての駒大のエースで、マラソン前日本記録保持者の藤田敦史(現富士通)超え。09年3月のびわ湖毎日2位で同年世界選手権の切符を手に入れた時に出した2時間10分7秒(当時学生最高記録)がターゲットだ。

 新たな挑戦の前に、3度目の箱根が控える。今回は2区にエントリーされた。「(東洋大に9分2秒差の完敗で)昨年は全く勝負にならなかった。あの悔しさは1年間忘れていない」。箱根でリベンジして、びわ湖、そして世界選手権のモスクワへ。世界へ羽ばたく13年のロードマップは完成している。

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2013年1月1日のニュース