富士通・柏原 “山の神”にさよならラン 元日実業団デビューへ

[ 2012年12月30日 06:00 ]

ニューイヤー駅伝に出場する富士通・柏原。上り道でなくとも強さを見せられるか

 正月にはこの男の激走がよく似合う。東洋大時代に箱根駅伝5区で駅伝ファンの期待に応え続けた富士通・柏原竜二(23)が、来年元日のニューイヤー駅伝(スポニチ後援、群馬県庁発着の7区間100キロ)で待望の実業団駅伝デビューだ。「優勝をチームとしての目標に掲げているんで、やります。チームが優勝するために貢献できるような走りをしたい」と気合を入れた。

 高低差864メートルを駆け上がる箱根の5区で4年連続区間賞。伝説をつくり続けた23歳は、飛躍を目指して今年4月に富士通に入社した。行政システム部の社員として午前中は出勤し、午後はハイレベルな実業団ランナーと汗を流す。学生時代とは生活が変わったが、「いろんな面で人間としても成長したい」と貪欲だ。右足首痛の故障に悩まされ、トラックシーズンは不調。11月の東日本実業団駅伝も左アキレス腱の不安で回避した。鬱憤(うっぷん)を晴らす舞台は上州路しかない。

 自身につきまとう“山の神”という称号に、早く別れを告げたい。「山上りの印象が強いと思うけど、自分の中では山にこだわらずに勝負できる自負がある。山がないから勝負できませんなんて、ばかげたことは言わない」。箱根ほどの上りはなくても例年、強風との闘いを強いられる過酷なニューイヤー駅伝。富士通4年ぶりのV奪回へ。コンディションが厳しくなればなるほど、柏原の輝きは増していく。

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2012年12月30日のニュース