東京、マッスル43点! ベンチプレス王者がコーチ

[ 2012年12月29日 06:00 ]

<三島・東京>後半26分、トライを決める東京・雨森(右から2人目)

第92回全国高校ラグビー大会1回戦 東京43―5三島

(12月28日 東大阪市・花園)
 1回戦11試合を行い、ベンチプレスアジア王者のサポートを受ける東京(東京第2)が43―5で三島(愛媛)に快勝した。メンバーが東日本大震災の被害を受けた平工(福島)は15―12で和歌山工(和歌山)を退けた。4連覇を狙う東福岡(福岡)などシード校が登場する2回戦は30日に行われる。

 どんな動きも自由自在だった。前半17分、自陣のラックから右に展開されたボールを受けたWTB雨森(2年)は、猛スピードでライン際を突進。かと思えば、迫る相手をひらりと右にかわした。次の瞬間にはライン裏へのチップキック。残る守備陣を置き去りにすると、インゴールに駆け込んで自ら抑えた。

 花園第1グラウンドでの試合に「都大会より緊張した。秩父宮よりもむちゃくちゃ緊張します」といい、雨の影響も加わってチーム全体にミスが目立った。序盤はキックを多用してきた三島の戦術に揺さぶられたが、雨森のトライから流れが落ち着いた。雨森はさらに後半22分に70メートルを独走し、その4分後にも3トライ目を奪う活躍だった。

 東京高では今年から10年アジアベンチプレス大会125キロ級覇者の奈良田智さん(39)をフィットネスコーチに迎えた。それまで選手任せだったが、週2回きっちりと体の強化に時間を使うようになった。ベンチプレスの最大負荷は大幅アップ。森秀胤監督によると「昨年は(主力)15人中10人が100キロを上げていたが、今は15人中10人が120キロを上げている」という。しかもウエートだけでなく、体幹強化のメニューも導入した。おかげでFWのパワーだけでなく、雨森のようにバックスの動きも切れ味を増している。

 2回戦ではシード校の御所実(奈良)に挑む。夏合宿などでもたびたび対戦して互いに手の内は分かっている。「御所実の初戦だからこそ勝つチャンスがある。相手のミスを誘うディフェンスをしたい」と森監督。太さと切れ味を増したフィジカルを最大限に生かせば勝機が見えてくる。

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