真央「本当の喜び味わいたい」 2月の四大陸で3回転半解禁へ

[ 2012年12月25日 06:00 ]

サンタクロースの帽子をかぶり氷を天に投げる浅田

エキシビション「メダリスト・オン・アイス」

 大技解禁が近づいてきた。フィギュアスケートの全日本選手権女子で2年連続6度目の日本一に輝いた浅田真央(22=中京大)が優勝から一夜明けた24日、報道陣に対応。今季封印していたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に意欲を見せ、来年2月8日開幕の四大陸選手権(大阪)で挑戦する可能性が高まった。「向上」をテーマに掲げる今季。自身の到達度を「半分」と分析した浅田が、14年ソチ五輪での完成型に向かって前進する。

 まるで数学の先生のようだった。6度目の全日本制覇から一夜明け、会見に臨んだ浅田が自ら切り出した。「グラフで表せば…」。3月の世界選手権で自己ワーストの6位と惨敗し、新シーズンになった11月の中国杯から4戦全勝。どん底から輝きを取り戻した12年を振り返り、「ゼロからのスタートで、半分くらいのところには上がってきているかな」と自身の現在の到達度を分析した。

 勝ち続けても満足感とは無縁だ。今季は安定感、完成度、表現力で好成績を残したが、自身の代名詞・トリプルアクセルは封印している。「いい演技をしても、前のような技術が戻るまでは喜べない。本当の喜びを味わいたい。もっと喜ぶためには、トリプルアクセルが必要。たくさんの方にトリプルアクセルを見てもらいたい」。大技へのこだわりが、浅田の口からあふれだした。

 情熱は抑えきれない。今季は腰痛を抱えていたファイナルを除けば、公式練習でもトリプルアクセルにトライしてきた。全日本の公式練習でも3度着氷。SPでは最終的に回避したものの、佐藤コーチに挑戦を直訴した。使用曲に大技を組み込んだ通し練習はまだ2回しかしていないが「試合で跳んでも認定されるくらいに来ている。あと一歩」と自信満々。世界一奪回を目指す来年3月の世界選手権を待たずに、2月の四大陸選手権で封印を解く可能性が高い。

 年末年始は大掃除や休養に充て、来年1月中旬には、SPのプログラムの手直しのためカナダに渡る。フリップ―ループ、フリップ―トーループの3―3回転ジャンプの練習にも積極的に取り組む。「順位や得点じゃなくて、目指しているものを練習して、試合でできた時の喜びを味わいたい」。14年ソチ五輪での完成型を目指し、浅田のグラフは右肩上がりだ。

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