筑波大創部89年目の歓喜 国立大で初の対抗戦V

[ 2012年12月2日 06:00 ]

帝京大を破り初優勝し喜ぶ筑波大フィフティーン

関東大学ラグビー対抗戦 筑波大24-10帝京大

(12月1日 秩父宮)
 筑波大が創部89年目で初優勝を果たした。対抗戦Aグループは東京・秩父宮ラグビー場で1試合が行われ、筑波大が帝京大に24―10で快勝。6勝1敗で帝京大と並んで同点優勝を飾った。筑波大は前半13分に奪われたトライ1本に抑えて、速攻から4トライを奪った。総得失点差も最多の306に伸ばし、国立大初の対抗戦V。大学選手権の順位付けでも1位になることが濃厚になった。

 国立大学として初の対抗戦Vが決まると、筑波大フィフティーンは歓喜の輪をつくって喜びを爆発させた。双子のフッカー彦坂圭は「歴史をつくった」。WTB彦坂匡も「伝統校と強豪校を倒してうれしい」と顔をくしゃくしゃにした。2人は前日練習で遅刻し、古川拓生監督(44)に大目玉を食らったが、17―10で迎えた後半6分に絶妙なコンビからダメ押しトライ。汚名返上の活躍で大学選手権3連覇の強敵を破って東京高等師範時代の1924年から続く部史に新たな1ページを刻んだ。

 集散の速さで密集戦を圧倒した。前半13分に先制トライを奪われたが、「神がかった」(彦坂圭)低く突き刺さるタックルで対抗戦最多56トライの帝京大の猛攻を防いだ。攻撃も素早い展開から前半16、29、34分、後半6分とトライ。昨季は対抗戦と大学選手権準決勝でいずれもノートライで敗れた難敵を下した。

 日本代表にSH内田とWTB竹中を擁するタレント軍団だ。今季就任8年目の古川監督は、バレー部を6冠に導いた都沢凡夫監督から言われた言葉を忘れられない。「日本一の選手に巡り合って日本一になれる」。筑波大OBの指揮官は日体大をはじめ他大学出身者が指導する高校を回り、09年から彦坂ツインズら大物選手を獲得してきた。 寮に入らなくてもよく、上下関係もない自由な空気が漂う。一般入試から積極的に入部し、22人の出場メンバーで両CTBの中鶴(なかづる)、山下ら浪人組は5人。彦坂匡は「浪人組が活躍すると僕ら推薦組も負けられない」と刺激になっている。大学選手権を控えているだけに、古川監督は「まだ先があるから」と胴上げを拒否した。もちろん、脳裏には国立大初の大学選手権優勝しかない。

 ▽対抗戦優勝の行方 明大が2日の早大戦に勝てば、6勝1敗で帝京大と筑波大に並んで14季ぶり優勝となる。ただ、大学選手権の順位はこの3校のグループ内の総得失点差で決定する。1日の時点では首位は+306点の筑波大、2位は+285点の帝京大、3位は+210点の明大。明大が首位に浮上するためには早大に96点差以上つけて勝たなければならない。明大が早明戦に敗れれば3位以下が確定。6勝1敗で並んだ筑波大と帝京大が同点優勝となり1位は当該対戦成績で筑波大となる。

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2012年12月2日のニュース