豊ノ島4連勝 パパの意地!愛娘誕生後初の勝ち越しに闘志

[ 2012年11月15日 06:00 ]

勢(左)を引き落としで下し4連勝の豊ノ島

大相撲九州場所4日目

(11月14日 福岡国際センター)
 平幕の全勝対決で、豊ノ島は勢を手玉に取って初日から4連勝を飾った。相性抜群の九州場所で長女誕生後初の勝ち越し、さらには一昨年逃した優勝も狙う。平幕・千代大龍は雅山を押し出して4連勝。自らの誕生日を白星で祝った。全勝は横綱・白鵬、大関・稀勢の里、関脇・豪栄道、平幕・碧山と6人になった。
【取組結果】

 1メートル68の小兵業師が勢いのある若手に貫禄を示した。狙っていたもろ差しを逃した豊ノ島だが、押し込んで優位に立った。勢が1メートル93の体格にモノを言わせて体を預けて出てきたところで引き落とし。冷静な取り口で全勝対決を制し、初日から白星を4つ並べた。

 「同じ(時津風)一門の先輩として勝っておきたかった。自分が若い時の兄弟子みたいに。(中堅で脂が乗ってきているが)腐らないうちに頑張ります」。いつにも増して口は滑らかだった。

 今年7月の名古屋場所前に長女・希歩(きほ)ちゃんが誕生。最高のモチベーションを得ながら、名古屋場所は5勝10敗、秋場所は6勝9敗といずれも負け越した。「娘にいいところを見せてないんで、頑張らないと」。幸い、九州場所は相性抜群だ。06年から6年連続勝ち越し。西前頭9枚目だった一昨年は14勝1敗で白鵬との優勝決定戦に進出した。家族と離れる地方場所の生活は寂しくても、妻から毎日のように携帯電話に送られてくる愛娘の画像を見て闘志を燃やしている。

 角界に身を置く者として競技の発展・普及に貢献すべく、独自の活動も展開中だ。九州場所後の12月16日に出身地の高知県宿毛市で、チビっ子相撲大会「第2回豊ノ島杯」を開催する。約100人が参加した昨年の第1回と同じく、出場資格は相撲クラブなどに入っていない男女の小学生。「経験者が入ると力の差がありすぎる。一人でも多くの子に相撲に興味を持ってほしいし、楽しんでもらいたい」というのが意図だ。「優勝して大会に行ければ最高です」。優勝同点に終わった一昨年より背負うものが増え、その言葉には力がこもっていた。

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2012年11月15日のニュース