吉田に国民栄誉賞授与 13ミリ金色真珠に感激

[ 2012年11月8日 06:00 ]

国民栄誉賞の記念品として贈られた、金の真珠が付いたネックレスを母親の幸代さんにつけてもらい、笑顔を見せるレスリング女子の吉田沙保里

 世界選手権、五輪を合わせ世界大会で13連覇を達成したレスリング女子の吉田沙保里(30=ALSOK)が7日、首相官邸で野田佳彦首相から国民栄誉賞を授与された。同賞は11年のなでしこジャパン以来、20例目。記念品には13連覇にちなんで直径13ミリの金色の真珠のネックレスが贈られた。吉田は連覇記録の更新と、20年夏季五輪が東京で実現した場合に現役として出場するプランまで披露した。

 黒い振り袖姿の吉田が感無量の表情で野田佳彦首相から受け取ったのは記念品の金色の真珠がヘッドになったネックレスだった。先月23日、国民栄誉賞が正式に決まった際、希望の品として“おねだり”した、希少性の高い逸品。政府が真珠メーカーの「ミキモト」に特別に注文したもので、直径は13ミリ。さらに、五輪の聖火の装飾とダイヤモンドまであしらわれた、文字通り、唯一無二のものだ。

 「女性スポーツのフロンティアを開拓し、国民に深い感動と明るい希望を与えてくれた」と称賛した野田首相は「ご要望の黄金のパールです」と、吉田に贈呈。手渡された瞬間に「ありがとうございます。すごーい」とはしゃいだ吉田は、表彰式に付き添った母・幸代さんから、さっそく着けてもらい「(国民栄誉賞は)本当に光栄。言葉が出ないくらいうれしかったです」と神妙な面持ちで話した。

 すでに「これからも連覇を続けることが、国民栄誉賞に応えること」と話していたが、この日も「(連覇は)いけるところまでいきたい」とあらためて記録の更新を約束。さらに、政府とスポーツ界が一体となって招致を目指す20年五輪にも触れ「東京五輪開催が決まったら、私も出られるように頑張りたい」と仰天プランまで披露。その表情は、金色の真珠に負けないくらい輝いていた。

 【過去の主な記念品】

 ☆カンムリワシ 77年に第1号の受賞者となったプロ野球・巨人の王貞治は記念品として中国産の大カンムリワシのはく製を福田赳夫首相から贈られた。

 ☆高級腕時計 00年の女子マラソンの高橋尚子は「一生ずっと身につけられる時計が欲しい」と腕時計を希望。スイスの高級腕時計メーカー「パテックフィリップ」の「アクアノート」が贈られた。

 ☆熊野筆 昨年の「なでしこJAPAN」は「世界一にふさわしい、世界に誇れる日本の伝統工芸品」という理由で、筆の産地として有名な広島県熊野町で作られた化粧筆「熊野筆」。「竹田ブラシ」の「基本ブラシセット ベーシック」(7本入り、3万3075円)と同じもので、「国民栄誉賞」の文字と選手の名前が彫られ、桐箱に入れられた。

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