藍攻めた2差4位「全身全霊」連続バーディー締め

[ 2012年9月30日 06:00 ]

6番、バーディーパットを放ち打球を見つめる宮里藍

女子ゴルフツアー 日本女子オープン第3日

(9月29日 神奈川県横浜市 横浜カントリークラブ西コース=6545ヤード、パー72)
 宮里藍(27=サントリー)が全身全霊のバーディー締めで首位に2打差の4位に浮上した。17番からの2連続を含む4バーディー、2ボギーの70で回り、通算3オーバーの219。05年以来の大会2勝目を視界にとらえた。木戸愛(22=ゼンリン)とフォン・シャンシャン(23=中国)が通算1オーバーで首位に並び、宮里美香(22=NTTぷらら)が通算4オーバーの6位につけた。
【第3R成績】

 最終18番。2メートルのバーディーパットをねじ込むと、宮里は右手で力強いガッツポーズをつくった。「一つでもスコアを減らせれば優勝に前進すると思った。(パットは)全身全霊で集中した」。気持ちで奪った最後のバーディーが効いた。首位とは2打差。逆転へ絶好のポジションにつけた。

 16番まで2バーディー、2ボギーとスコアを伸ばせなかった。だが「1つでも2つでも伸ばしたい気持ちがあって最後の2ホールは高い集中力で回れた」。前日はバーディーなし、この日も4人だけという最も難度の高い右ドッグレッグの17番パー4で果敢に1Wを握った。右サイドはOBラインが浅く、突き抜ければ左ラフという状況で、ギリギリで右を通してフェアウエーキープ。残り158ヤードまで運ぶと6Iでピン奥6メートルに乗せた。「1Wで攻めた結果」バーディーとなり、連続バーディーにつなげた。

 全英女子オープン後に帰国し、23日の大相撲秋場所千秋楽、優勝の懸かった日馬富士―白鵬戦をテレビ観戦。手に汗握る戦いに刺激を受けた。日馬富士の横綱昇進の口上は知らなかったと言うが「全身全霊」という同じ言葉が出た。「(私も)必死にやっているということです」と笑った。

 05年、20歳で日本女子オープンを制した時にはコーチの父・優氏(66)が大会中も付きっきりで指導した。今回も優氏は観戦に訪れているものの、掛けた言葉は「勝手にやれ」だけ。7年を経て心技体とも成熟したプレーヤーに成長した。

 この日は今季2番目の1万1437人のギャラリーが訪れた。05年大会最終日に2万1018人を集めた人気は健在だ。「応援は自分の力になった。あしたも自分のプレーをしっかりやりたい」。今季の日本ツアーはこれが最後。最終日は大ギャラリーとともに2度目の日本一の喜びを分かち合う。

続きを表示

2012年9月30日のニュース