日馬富士 豪華土俵入り!太刀も「刀鍛冶の横綱」制作!

[ 2012年9月27日 06:00 ]

部屋の前に集まったファンに祝福される日馬富士

 日本相撲協会は26日、九州場所(11月11日、福岡国際センター)の番付編成会議と理事会を開き、大関・日馬富士(28=伊勢ケ浜部屋)の横綱昇進を満場一致で決めた。白鵬以来、昭和以降で史上最長のブランクとなる約5年4カ月ぶりに誕生した新横綱は、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で行われた昇進伝達式で口上を述べた。九州場所に向けても準備が進められているが、土俵入りで使う太刀は「刀鍛冶の横綱」と呼ばれる名匠が制作することになった。

 冷静な日馬富士が伝達式ではロボットのように固まった。「謹んでお受け致します…」。5秒沈黙した後「横綱を自覚して全身全霊で相撲道に精進します」と絞り出した。だが、準備していた文言「横綱の自覚を持って」を言い間違えた。終了後には「45点。かんだから」と頭をかいた。

 口上は師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)、おかみの杉野森淳子さんと話し合って決めた。後援会関係者が「修理固成(しゅりこせい=しっかりと作り固めること)」という古事記にある日本の成り立ちについての記述を使うことを提案したが「分かりやすい方がいい」と固辞。大関昇進時に使った「全身全霊」に、淳子さんが提案した「自覚」を加えた。

 九州場所に向けた準備も進んでいる。東京後援会は土俵入りで使う「太刀」の贈呈を決定。佐藤俊一会長によると、鞘(さや)や柄の部分は江戸時代のものを探しており、刀身の制作は東京都無形文化財に認定され「刀鍛冶の横綱」と呼ばれる3代目吉原国家(くにいえ)氏(67=全日本刀匠会会長)に依頼した。祖父の代から刀鍛冶を始めた吉原一族はかつて皇室に太刀を寄贈したこともある。吉原氏は「横綱の太刀を作るのは初めて。いいものを作りたい」と話した。

 三つぞろえの化粧まわしも3種類を準備。神奈川後援会は母国モンゴルを象徴する青と緑を基調に「天、地、仁」の文字を入れたものを制作する。東京後援会は「スズキ自動車」「カネカ」の協力を得て2本作る。デザインは今後決定する。

 27日に新しい綱を作る「綱打ち」式を行い、師匠の指導で不知火型の土俵入りを稽古する。28日には明治神宮で奉納土俵入りを披露。しこ名「日馬富士」を付けた草山清和氏が分祠(ぶんし)長を務める出雲大社相模分祠(神奈川県秦野市)でも近く土俵入りを行う。「やるべきことをしっかりやって一日一日生きていきたい」。猛稽古と努力で頂点に上り詰めた男が横綱としての第一歩を踏み出す。

 ◆日馬富士アラカルト◆

 ☆本名 ダワーニャム・ビャンバドルジ
 ☆生まれ 1984年4月14日、モンゴル・ウランバートル生まれの28歳。
 ☆サイズ 1メートル86、133キロ
 ☆血液型 O
 ☆握力 右70キロ、左70キロ
 ☆家族 バトトール夫人(25)、長女・ニャムジャラガルちゃん(1)、次女・ヒシゲジャルガルちゃん(4カ月)
 ☆入門 00年9月に来日し、01年初場所で初土俵
 ☆得意 突っ張り、右四つ寄り
 ☆趣味 水彩画

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