旭天鵬「目標だった」高見山超え!外国出身最多813勝

[ 2012年9月18日 06:00 ]

全勝をキープし、笑顔で引き揚げる旭天鵬

大相撲秋場所9日目

(9月17日 両国国技館)
 全勝の旭天鵬は栃煌山を寄り切り、無敗を守った。通算813勝は高見山を抜いて歴代8位、外国出身力士では単独トップとなった。新入幕の弟弟子・旭日松の助力で平常心を保ち、東京場所連覇が現実味を帯びてきた。綱獲りの日馬富士、白鵬も勝ちっ放しで9日目を終えて全勝3人以上は04年春場所(横綱・朝青龍、大関・千代大海、魁皇、平幕・朝赤龍)以来となった。鳴戸部屋勢の稀勢の里、高安はともに1敗に後退した。
【取組結果】

 まだまだ若い者には負けていられない。関取最年長38歳の旭天鵬が13歳下の有望株を圧倒した。栃煌山に2本差されても肘をきめながら出て、最後は勢い余って土俵下へ落ちた。「ダイビングしちゃったよ。でも気持ちのいい相撲が取れた」。夏場所の優勝決定戦で対戦した相手を2場所ぶりに破り、頬が緩んだ。

 自身初の初日から9連勝で、白星は「813」に達した。元関脇・高見山を抜いて歴代8位、外国出身力士では単独トップだ。「大先輩の数字は場所前から目標だった。ずっと先のことは考えられない。近くにある目標に一つ一つ挑戦していきたい」。記録はモチベーションを維持する重要な材料で、次は歴代7位の安芸乃島の822勝に照準を合わせている。

 東京場所連覇が現実味を帯びてきたが、その話題になると「プレッシャーに弱いんだから。のんびりやりたい」と腰が引ける。初優勝直後の名古屋場所では周囲の注目が重圧となり、初日から13連敗を喫しただけに、優勝争いに関する質問が出ると「やめなさい」と“禁止令”を出すほどだ。

 高まる緊張をほぐしてくれるのは弟弟子の旭日松だ。大島部屋時代の自分の付け人で、今でも本名の“コウタ”と呼んでかわいがっている。やんちゃで周囲に笑いを巻き起こす後輩は今場所新入幕。支度部屋や出番前の花道でも目線を合わせて励まし合う。この日は横綱土俵入りを一緒に務めた。太刀持ちを務める安美錦が横綱との対戦だったため、旭日松が露払いで、旭天鵬は太刀持ち。朝稽古後にはその作法を細かく指導し、勝負を忘れてリラックスできた。「いい思い出ができた。この記念写真を撮れたら十分」。後輩の助力もあって緊張に打ち勝てば、再び賜杯を抱いての記念撮影ができそうだ。

続きを表示

この記事のフォト

2012年9月18日のニュース