マリー 涙の4大大会初優勝!史上最長タイの激闘制した

[ 2012年9月12日 06:00 ]

男子シングルスで優勝し喜ぶアンディ・マリー

テニス全米オープン最終日

(9月10日 ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 男子シングルス決勝はロンドン五輪金メダルのアンディ・マリー(英国)が2連覇を狙ったノバク・ジョコビッチ(セルビア)を7―6、7―5、2―6、3―6、6―2で破り4大大会初優勝を果たした。同種目で英国勢の4大大会制覇は1936年の全米王者フレッド・ペリー以来で76年ぶりの快挙。5度目の4大大会決勝進出となったA・マリーは全米の決勝で史上最長記録に並ぶ4時間54分の接戦を制し、優勝賞金190万ドル(約1億4820万円)を獲得した。同種目で五輪と全米の連勝は史上初。

 ジョコビッチの力を振り絞ったリターンがオーバーすると、しゃがみ込み、あふれる涙をぬぐった。A・マリーが5時間近い激戦を制し、悲願の4大大会制覇を成し遂げるとともに、英国勢76年ぶりのタイトル奪取で歴史を動かした。「こんな長時間の試合を経験したことはない。よく勝てたなと思う」と喜んだ。

 2セットを先取しながら追い付かれる嫌な流れだったが、五輪王者の意地ではね返した。最終セットで第1ゲームをブレークするとここから3ゲームを連取し、主導権を握った。右脚の疲れで動きが鈍った相手を攻め、4―2からの第7ゲームで再びブレークに成功。強風の中でミスを抑え、最多で54本に及ぶ壮絶な打ち合いで粘り勝った。

 同い年の25歳で誕生日が7日違いのジョコビッチとはジュニア時代からしのぎを削ってきた。4大大会では2戦2敗だったが、五輪の準決勝で勝って自信を付け、大舞台の決勝でも破り「ついに成し遂げた。英国選手は緊張して勝てないというイメージを取り除けた」と胸を張った。史上初めて五輪、全米の連勝を成し遂げ、フェデラー(スイス)ナダル(スペイン)ジョコビッチとの4強時代到来を告げた。

 ≪“最多記録”逃れた≫A・マリーは今年コーチに招いたイワン・レンドル氏(米国)と同じように4大大会5度目の決勝で初優勝。フレッド・ストール(オーストラリア)による初の決勝進出から5大会連続準優勝の“最多記録”に並ぶことは逃れた。4大大会通算8勝のレンドル氏は普段はあまり表情を崩さないが、この日の表彰式ではスタンドでほほ笑んだ。A・マリーは優勝インタビューで「苦しいときに支えてもらった」と感謝した。

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2012年9月12日のニュース