細川 7バーディーで5位急浮上!7年ぶりV見えた

[ 2012年8月26日 06:00 ]

<VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント、第3日目>9番ホール、バディーを決め喜ぶ細川和彦

男子ゴルフツアーVanaH杯KBCオーガスタ第3日

(8月25日 福岡県糸島市・芥屋ゴルフ倶楽部=7146ヤード、パー72)
 かつて“夏男”と呼ばれた細川和彦(41=茨城GC)が、7年ぶりのVチャンスを迎えた。インから出て7バーディー、1ボギーで回り、この日のベストタイとなる66をマーク。通算11アンダーで4打差の5位に急浮上。17年前に初優勝した思い出の地で、久々のツアー9勝目を狙う。金亨成(32=韓国)が通算15アンダーで首位に立ち、貞方章男(33=光CC)が1打差の2位につけた。
【第3R】

 これぞ夏男の本領発揮だ。太陽がギラつくほどにプレーも輝く。「きょうなんて全然涼しいもん。風が全然違うじゃん。汗もドライだよ」。いやいや、真夏日続きの3日間でも間違いなく一番暑い一日だったはず。それでも41歳の細川は涼しい顔だった。

 前日のテレビ中継を見ていると、17年前の懐かしい映像が流れた。プロ3年目、まだ新鋭と呼ばれていた細川自身の初優勝シーンだ。父・和男さんと泣いて抱き合った記憶は今も鮮やか。そして、思った。「いい思い出がある試合だから、また泣きたいな」。初優勝から4勝目までを全て8月に挙げ、かつては夏男の異名を取った。そんな時代を思い出したかのように、パー5で確実にバーディーを奪い、合計7バーディーのラッシュで優勝圏内に浮上した。

 17年の歳月が過ぎ、全てが同じではない。01年には難病指定の潰瘍性大腸炎を患い、いまも薬の服用を続けている。今季はプロになって初めてシードを失い、QT(ツアー予選会)の資格で参戦。今大会の出場資格も直前で繰り下がり、「帯同キャディーを探す時間もなくて、気分転換で17年ぶりにハウスキャディーさんにお願いしている」。会場入りの車をキャディー任せではなく、自分で運転するのも初優勝の時と同じだ。

 原点回帰した先に久々の歓喜があるのか。「優勝したいね。また泣きたいね」。細川は少し熱を込めてもう一度言った。

 ◆細川 和彦(ほそかわ・かずひこ)1970年(昭45)12月28日、茨城県生まれの41歳。東京・日体荏原高でゴルフを始め、日体大卒業後の93年にプロ転向。99年日本シリーズ、05年日本ツアー選手権など通算8勝。生涯獲得賞金は6億5592万円で歴代31位。1メートル76、78キロ。

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