ディーン元気、閉会式旗手狙う!前哨戦で手応え十分V

[ 2012年7月23日 06:00 ]

豪快な投てきで優勝したディーン元気

陸上トワイライトゲームス

(7月22日 東京・代々木公園陸上競技場)
 父の祖国で晴れ姿を見せる。ロンドン五輪の陸上男子やり投げ代表・ディーン元気(20=早大)が五輪前最後の実戦に臨み、78メートル72で優勝した。自己ベストの84メートル28には及ばなかったものの、昨年自身がマークした76メートル00の大会記録を更新。父・ジョンさん(57)が英国人ということもあって注目を集める20歳は、夢舞台でのビッグスローで閉会式(8月12日)の旗手にも意欲を見せた。

 手応え十分の前哨戦だった。代々木公園陸上競技場はフィールドが80メートルしかなく、助走のスタートラインを8メートル後方にずらして行われた男子やり投げ。ディーンのディーンによるディーンのための壮行試合で、ポテンシャルの高さを見せつけた。「30~40%」という状態ながら、78メートル72の大会新で優勝。気温約22度とロンドンに近い気候で最後の実戦を終え、「いい感触でできたし、いい練習になった」と笑みを浮かべた。

 自身のルーツとも言える英国で開催される五輪では、大きなモチベーションがある。応援してくれる家族に、最高の姿を見せたい――。究極の親孝行は、閉会式での旗手だ。今大会の開会式旗手はレスリング女子55キロ級の吉田沙保里が務めるが、過去の五輪では大会中の活躍に応じて閉会式の旗手が変更された歴史がある。

 96年アトランタでは開会式の柔道・田村(現姓谷)亮子から、女子マラソンで銅メダルを手にした有森裕子に。08年北京は卓球・福原愛から競泳の平泳ぎで五輪連覇を果たした北島康介に代わり、10年バンクーバーの閉会式は女子フィギュアスケート銀メダルの浅田真央が閉会式の“主役”を務めた。男子やり投げの決勝は閉会式前日の11日に行われる。同種目初のメダル獲得なら、インパクトは大きい。父が英国人という背景、まだ20歳で16年リオデジャネイロ五輪にも期待が懸かる男は、ロンドンのフィナーレにふさわしい。ディーンも「まずは結果を出して、そういう話が来れば」と意欲を見せた。

 24日からは、日本選手団の主将を務める村上幸史(32=スズキ浜松AC)と都内で合同合宿をスタート。「自分の世界に入って合宿期間は過ごしたい」。トレーニングだけに集中し、夢舞台へコンディションを整える。「やってきたこと全てをぶつけて、ベストを目指したい」。全力のビッグスローで、メダルと閉会式の大役のダブル獲りを狙う。

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2012年7月23日のニュース