藍 1打差4位発進!沖縄の海塩でミネラル補給

[ 2012年7月7日 06:00 ]

第1ラウンドの9番でバーディーを決め、ギャラリーの声援に応える宮里藍

USLPGAツアー全米女子オープン第1日

(7月5日 ウィスコンシン州・ブラックウルフラン=6954ヤード、パー72)
 メジャー初制覇へ好スタートを切った。2週連続優勝も懸かる宮里藍(27=サントリー)は4バーディー、2ボギーの70で回り、首位と1打差の4位。酷暑の中、安定感あふれるショットが光った。宮里美香(22=NTTぷらら)も71で8位と好位置につけた。横峯さくら(26=エプソン)は75で55位、上田桃子(26=フリー)は77で94位と出遅れた。首位には69をマークしたクリスティ・カー(34=米国)ら3人が並んだ。

 照りつける太陽。まとわりつくような湿気。40度近い酷暑の中で宮里がギャラリーを魅了した。2ボギーで折り返した後の1番パー4。ピンまで残り112ヤード、握ったのはPWだった。時間とともに硬くなったグリーンを計算して手前から転がすと、カップの左をかすめるスーパーショット。20センチのバーディーパットを軽々決めると、ここからチャージが始まった。

 「あれで流れが変わったし、リズムも良くなった」。5番はカラーからパターで10メートルを直接カップインすると、8番は下りの3・5メートル、9番は11メートルを沈めて後半だけで4バーディー。1打差の2アンダーに「だいたいイメージ通り。イーブンにいればいいと思っていた。上出来の初日」と白い歯をのぞかせた。

  同じコースで行われた98年大会。朴(パク)セリの優勝スコアは6オーバーだった。7000ヤード近い長距離コースに加え、傾斜がきついグリーン。しかも、時間とともにグリーンは乾き、どんどんスピードが増していった。難コースこそ「集中力が大事」と語っていた宮里はパワーの源をバッグに忍ばせていた。両親からもらったという沖縄の海塩「ぬちまーす」だ。通常の食塩よりミネラル分が多いという故郷の塩をスポーツ飲料に溶かしてこまめに補給。他にも暑さ対策としてビタミン剤を取ったり、氷のうを頭や首筋に当て体を冷やし続けた。「水分、エネルギーが取れていたから後半も気分が悪くなることはなかった」と胸を張った。

 体調が万全であれば持ち前のショットも切れを増す。第1打でフェアウエーを外したのは2度だけで、パーオン率89%は全体の1位を記録。確実にグリーンに乗せ、チャンスを待ったことが好スコアにつながった。

 「ショット、パットとも調子はいい。精神的にも良いバランスでできている」という。だが、1打差の好発進にももちろん油断はない。「まだ初日が終わったばかり。あしたからが本当に勝負どころ」。メジャー初制覇への長い道のりを見据えた。

 ≪1打差で初日を終えるのは1年ぶり≫宮里が海外メジャーで1打差で初日を終えるのは今年6月の全米女子プロ選手権以来で、この時も4位発進(最終順位は6位)だった。また08年のクラフトナビスコ選手権は1打差の2位と自己最高のスタートを切ったが、最終的には31位。全米女子オープンには05年から連続出場し、09年と11年の6位が最高成績。

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