悲願の米ツアー初Vへ 美香“勢いそのまま”2位浮上

[ 2012年7月2日 06:00 ]

第2ラウンド、9番でパーパットを沈めた宮里美香

USLPGAツアー アーカンソー選手権第2日

(6月30日 アーカンソー州ロジャーズ ピナクルCC=6376ヤード、パー71)
 19位から出た宮里美香(22=NTTぷらら)がボギーなしの65で回り、通算7アンダーの2位に大きく順位を上げた。前戦の全米女子プロ選手権で2位に入った勢いそのままに、4打差の2位から初優勝に挑む。宮里藍(27=サントリー)も4バーディー、1ボギーの68で通算6アンダーの4位。ツアー1年目のベロニカ・フェリベルト(27=ベネズエラ)が通算11アンダーで単独首位に立った。

 バーディーラッシュで宮里美が優勝争いに名乗りを上げた。6バーディーを稼ぎだし、今季3度目となるノーボギー。「3日間大会の第2ラウンドが重要になると思っていたので、ノーボギーで伸ばせたのはうれしい」と短期決戦での自らの戦いぶりに満足そうだった。

 連日の酷暑で、この日も最高気温が36度まで上昇した。氷水で冷やしたタオルを首や手につけたり、「無理やり食べた」とバナナなどでエネルギーを補給。最後まで集中力を切らさず、バーディー合戦についていった。

 後半の3番パー3では、急に風が強まる中で第1打を低く抑えて7メートルにつけた。7番パー5では右からせり出す木を避けるように「イメージ通り」のフェードボールで第2打をグリーン近くへ運んだ。状況に応じて繰り出す多彩なショットは、「日本にいた時は考えたこともなかった」と米ツアーでもまれてこそ身についたもの。アイアンは同じ番手で3段階に距離を打ち分け、球筋も上下左右に操るすべを覚えつつある。

 4週前のショップライトで3位、3週前の全米女子プロでは2位に食い込んだ。同じフロリダ州のIMGアカデミーを練習拠点とするテニスの錦織圭からは「凄いね」と好調ぶりを驚かれたという。宮里美も錦織の活躍を楽しみにしており、ウィンブルドン3回戦での敗退を聞くと残念がったが、「圭君にはいつも刺激をもらってる。いい報告をしたいですね」と活躍を誓った。

 首位とは4打差とはいえ、フェリベルトはツアー1年目で優勝争いの経験もない。「たくさんバーディーが出るコースなので、私もついていけるようにしたい」。参戦4年目を迎えた宮里美には、経験も勝機も十分にある。

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2012年7月2日のニュース