日本女子 夢散…カナダに敗れ、2大会ぶり五輪切符逃す

[ 2012年7月2日 06:00 ]

<日本・カナダ>第2クオーター、シュートを阻まれる大神

バスケットボール女子ロンドン五輪世界最終予選最終日 日本63―71カナダ

(7月1日 トルコ・アンカラ)
 最後の出場枠を懸けた五輪出場決定戦を行い、世界ランキング15位の日本は同11位のカナダに63―71で敗れ、2大会ぶりの五輪切符を逃した。高さで勝るカナダに序盤で主導権を握られ、中盤以降の追い上げも実らなかった。日本の団体球技でサッカー男女、ホッケー女子、バレーボール女子に続くロンドン五輪出場はならなかった。

 日本は苦しいスタートを強いられた。平均身長で8センチ上回るカナダの高さを意識するあまりにシュートタッチがズレて、ことごとくリングに嫌われる。逆に相手にはゴール下へパスを通された。開始3分で0―11と差をつけられた。

 だが、エース大神や今大会絶好調の1メートル85のセンター間宮のシュートで食らいつく。守備ではゾーンを織り交ぜ、相手のミスを誘った。カナダは世界ランキングでは格上だが、昨年の対戦では3勝1敗と相性がいい相手。少しずつ差を詰めて、前半を31―37で折り返した。

 後半に入ると、カナダの外からのシュートが決まりだし、再びじわじわと離された。3日前の最初の出場決定戦ではチェコに47―53で力負けしたが、前日の敗者復活1回戦で宿敵韓国に79―51で大勝し、迎えた2度目のチャンス。「絶対に諦めない」(大神)と誓っていた“隼ジャパン”だったが、最後の1枠に滑り込むことはできなかった。

 昨年8月に長崎で開催された五輪アジア予選を兼ねたアジア選手権はホームの利を生かせず、3位に終わった。優勝チームに与えられる五輪切符獲得に失敗。大幅なてこ入れに踏み切った。中川文一監督を解任。鈴木秀太強化本部長は「好き嫌いはあるかもしれないが、日本のために1つになって戦う集団をつくる」と宣言し、JXの内海知秀監督を中心に、トヨタ自動車の丁海鎰(チョンヘイル)監督、デンソーの小嶋裕二三監督のWリーグ上位3チームの監督がタッグを組んで指揮を執る異例のトロイカ体制を築いた。

 選手も12人中6人を入れ替え、アテネ五輪の経験がある33歳の矢野、今夏を最後に引退を決めている29歳の田中ら経験豊富な個性派選手を戻した。1メートル92の渡嘉敷が故障で合流できず、サイズの小さい編成になったが、一体感あるチームに生まれ変わった。

 だが、あと1勝及ばなかった。大神が「通過点」と位置づけていた予選だったが、世界の壁は高かった。

 【過去の五輪予選】

 ☆96年アトランタ五輪予選 95年7月のアジア選手権(静岡、出場枠3)3位決定戦で、萩原美樹子、加藤貴子らを中心とする日本は台湾に前半38―41と苦戦したが、残り32秒でスーパーサブの山田かがりがリバウンドから逆転シュート。残り6秒で相手がフースロー2本を外すミスにも救われ、68―65で競り勝ち、20年ぶりの五輪出場を決めた。

 ☆00年シドニー五輪予選 99年5月のアジア選手権(静岡、出場枠1)決勝で韓国に一時16点のリードを許したが、徐々に追い上げて残り1分で加藤貴子のフリースローで65―64と逆転。だが、最後は65―68で競り負けた。25年ぶりの同選手権2位だったが、2大会連続の五輪切符獲得はならなかった。

 ☆04年アテネ五輪予選 同年1月のアジア選手権(仙台、出場枠3)準決勝韓国戦で、序盤リードを許したところで大山妙子ら主力を下げると、代わって入った立川真紗美ら若手選手が奮闘。矢野良子が34得点する大爆発で、延長戦の末に81―72で勝ち、五輪切符を手に入れた。後に「仙台の奇跡」と呼ばれた。

 ☆08年北京五輪予選 07年6月のアジア選手権(韓国・仁川、出場枠1)で日本は3位で、08年6月の世界最終予選(マドリード)に回る。同予選で日本は1次リーグ1勝1敗。出場決定戦ではチェコに64―76で敗れ、敗者復活1回戦でも58―66で敗れ、2大会連続出場はならなかった。

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