服部真夕 外国勢止めた!18番逆転イーグルで劇的V

[ 2012年6月25日 06:00 ]

最終18番、7メートルのイーグルパットを沈め優勝を決めた服部はガッツポーズでギャラリーの声援に応える

女子ゴルフツアー アース・モンダミンカップ最終日

(6月24日 千葉県袖ケ浦市 カメリアヒルズ・カントリークラブ=6475ヤード、パー72)
 ついに外国勢の連勝を止めた!服部真夕(24=LIXIL)がトップと1打差で迎えた18番パー5で劇的なイーグルフィニッシュ。今季何度も苦杯をなめてきた最終日最終組で68とスコアを伸ばし、通算15アンダーで今季初優勝、ツアー通算4勝目を挙げた。史上最多だった外国勢の連勝は7でストップ。1打差の2位に横峯さくら(26=エプソン)と有村智恵(24=日本ヒューレット・パッカード)、2打差の4位にアン・ソンジュ(24=韓国)が入った。

 最終組の呪縛からようやく自分自身を解き放った。18番で7メートルのイーグルパットを沈めた瞬間、何度も拳を握り締めていた。「あんなにきれいに決まってくれると思わなくて、ガッツポーズしちゃいました」。先に14アンダーでフィニッシュしていた有村を逆転。普段は冷静な服部も思わずわれを忘れる劇的な幕切れだった。

 終盤までは、また同じことを繰り返しそうだった。今季これまでに最終日最終組は3回あったが、一度もアンダーパーを出せずに失速続き。「苦しい思いもつらい思いもした」。特に苦い記憶は2週前のサントリー・レディースだ。5打差の首位で迎えながら74と崩れて、アマの金孝周(キム・ヒョジュ)に大逆転優勝を食らった。

 同じ岡本綾子門下生の森田が「服部さんはそういう時も気持ちを外には出さない」と語るように、悔しさも情けなさも全て自分の中で消化した。そして、つかんだ雪辱の機会。この日も10番で1メートルのパーパットを外して首位と3打差まで後退し、13番でも3パットでボギーとした。だが、土俵際まで追いつめられたことで「打たなきゃいけないパットを打ち切れてない。これじゃダメだ」と目が覚めた。

 「のびのびとやってこい。命まで取られるわけじゃない」。師匠の岡本から前夜に電話で言われた言葉を支えにし、「とにかく自信を持とう」と心の中で反すうした。「今までならズルズル終わったと思うけど、諦めずにプレーできた」と17番で8メートルをねじ込んでバーディー。1組前で首位を走る有村を1打差で追い、同組の横峯、アン・ソンジュと同スコアで迎えた18番は、「いくしかない!」と飛距離を生かして2オンに成功。最後も「しっかり決める!」と心を定め、下りのパットを強めのタッチで沈めた。

 外国勢が席巻する女子ツアーで2カ月ぶりの日本人優勝。服部自身は「あまり意識してなかった」というが、知らせを受けた岡本は「(海外勢連勝で)凄くプレッシャーがかかっている中で自分の手で勝ちとった勝利。わたしも大変うれしい」と愛弟子を称えた。ツアーを代表する3選手に競り勝って副賞のポルシェをゲットしただけでなく、「また一歩次のステージに上がれたんじゃないか」という自信もつかんだ。苦しみ続けた服部にとって、限りなく価値のある1勝だった。

 ▼小林浩美・日本女子プロゴルフ協会会長 素晴らしい勝ち方だった。これからバガバガッと勝つ人のパターン。海外の選手を含めて強い人と毎週戦っているからこそ、相乗効果でいいものが引き出されている。

 ▼4位、アン・ソンジュ スライスラインのパットが決まらなくて、後半まで集中が続かなかった。服部さんの最後のパットはアドレスした時点で入る気がした。(前半首位ターンも後半に失速)

 勝者のクラブ ▼1W=ミズノ・MPクラフト425プラス(シャフトの長さ45インチ、硬さS、ロフト角9・5度)▼3、5W=同MPメタルTi▼4U=同CLKフライハイ▼4I~PW=同JPX800フォージド▼ウエッジ=同MP―T11(52、58度)▼パター=オデッセイ・ブラックシリーズiX#2▼ボール=ダンロップスポーツ・ZスターXV

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