ディーン元気「合宿したい」ライバル・村上と共闘だ

[ 2012年6月12日 06:00 ]

<日本陸上連盟会見>ロンドン五輪で着用するユニホームを身にまとってポーズをとる(左から)江里口匡史、高瀬慧、福島千里、ディーン元気、吉川美香、金丸祐三

陸上ロンドン五輪代表発表

 夢の表彰台へ共闘だ。日本陸連は11日、大阪市内で理事会を開き、ロンドン五輪代表を発表。マラソンを含めて計39人(男子25、女子14)となった。日本選手権で初優勝して代表に決まっていた男子やり投げのディーン元気(20=早大)は、09年世界選手権銅メダリスト・村上幸史(32=スズキ浜松AC)との合宿を熱望。父・ジョンさん(57)の母国・英国で行われる大舞台を見据えて、さらなるレベルアップを図る。

 視線はもう、夢舞台に向いていた。日本選手権で初優勝し、初の五輪を決めたディーンが、女子短距離の福島らとともに会見に出席。無数のフラッシュを浴びながらマイクを握った20歳は「夢の舞台に出られるということでワクワクしている。上の順位を狙っていきたい」と気合を入れた。

 ライバルの存在が心強い。日本選手権で激闘を演じた09年世界選手権銅メダリストの村上も五輪参加標準記録Aを突破しており、この日の日本陸連理事会で順当に代表に決定。日本での試合と同じような感覚で五輪に臨めるのは、大きなメリットだ。「2人で行けるのはいい」と話したディーンは「レベルの高い練習をするために村上さんと合宿をしたい」とラブコール。これまでも日本陸連の強化合宿を共にしたことはあるが、五輪前となれば緊張感も違う。五輪本番を見据え、最高のトレーニングになる。

 父・ジョンさんの母国・英国で行われるロンドン五輪。昨夏には村上から現地の日本食レストランのリサーチを頼まれている。ディーンによると、09年世界選手権メダリストの村上には、海外の強豪選手も興味を抱いているという。英語が堪能なディーンは海外選手とのネットワークも広く、「ロンドンでは知り合いの選手のところに村上さんと行って、僕が通訳をやりますよ」と笑みを浮かべた。

 今後は国内の大会に1試合出場し、夢舞台に備える。男子やり投げで五輪のメダルを獲得すれば日本初。「こわばった顔じゃなく、“コイツ楽しんどるな”って思われるような顔を見せたい」。父方の親戚が待つロンドン。最高の表情で表彰台へ駆け上がる。

続きを表示

2012年6月12日のニュース