驚愕の16歳!韓国天才アマ少女 記録ずくめの最年少V

[ 2012年6月11日 06:00 ]

9番でバーディーパットを沈め、ガッツポーズする金孝周

女子ゴルフツアー サントリー・レディース最終日

(6月10日 兵庫県神戸市 六甲国際ゴルフ倶楽部=6511ヤード、パー72)
 韓国の天才少女が記録ずくめの優勝を成し遂げた。首位に7打差の6位から出たアマチュアの金孝周(キム・ヒョジュ)(16=韓国)が11バーディーを奪い、18ホールの国内ツアー新記録となる61をマーク。72ホール競技の最少ストローク記録に並ぶ通算17アンダーで初優勝を飾った。16歳332日での優勝は、宮里藍の18歳101日を大幅に塗り替える史上最年少優勝。外国人選手の連続優勝は6試合に伸びた。2位に5打差をつけて出た服部真夕(23=LIXIL)は74を叩き、通算11アンダーの3位に終わった。

 涼しげな顔をした16歳の金孝周が歴史に名を残した。ボギーを叩くことなく、11個のバーディーを奪ってマークしたのはツアー記録の61。7打差を軽くかわした上に2位に4打差をつける完勝で、日本ツアー初出場初優勝を飾った。「うれしすぎて自分自身が何をしているのか分からないです」。大きな目を丸くして驚いたが、ウエアはチャンピオンズブレザーと同じ水色。約束されていたかのように、一直線に優勝へと突っ走った。

 バーディー発進すると2番はチップインで連続バーディー。4番からの4連続バーディーを挟み、9番は7メートルをねじ込んでハーフ29をマーク。後半も勢いは止まらない。平均飛距離270ヤードの1Wは少々曲がったものの、さえたアイアンで全て4メートル以内につけて4バーディー。今年4月の韓国ツアーで2位に9打差をつける完全Vを成し遂げた天才少女は「18番のパットが終わってボードを見たら1位でびっくり」と無欲で走破した。

 6歳でゴルフを始め、7歳から申ジエやアン・ソンジュ、金庚泰らを育てた韓国ナショナルチームの韓然煕(ハン・ヨンヒ)監督に師事した。韓国では代表制を敷き、年間150日以上の合宿を実施するなど国を挙げた強化をしている。代表はわずか6人で、成績に応じて毎年入れ替わるため、アマチュアでも生存競争が激しい。豊富な練習量と確立されたエリートシステムで強い選手が生まれる土壌ができている。中学2年で代表入りした金孝周も1日8時間クラブを握り、帰宅後もフィジカルトレーニングをする猛練習で才能が開花。母国では「第二の申ジエ」と呼ばれている。

 アマチュアのため賞金は受け取れないが、この優勝で日本ツアーのプロ転向資格を得た。世界女子アマチーム選手権(9月、トルコ)制覇を目標にしており、早々の転向には否定的だ。だが「格好いいから好き」という石川遼のような強烈なインパクトを残したのは事実。近い将来、世界を席巻する韓国の代表格となることは間違いない。

 ◆金 孝周(キム・ヒョジュ)1995年7月14日、韓国江原道出身の16歳。6歳からゴルフを始め、中2からナショナルチーム所属。11年世界ジュニア優勝、今年は韓国ツアーのロッテマートレディースで優勝。大元外大高2年。家族はビジネスホテル経営の両親と姉。1メートル65、63キロ。

 ≪記録ずくめ17アンダー 72ホールで最少タイ≫61のスコアはツアー記録を1打更新する18ホール最少ストローク。16歳332日の優勝は宮里藍の18歳101を更新する史上最年少優勝。通算17アンダーは72ホールのツアータイ記録。11バーディーは18ホールのツアータイ記録。日本ツアー初出場初優勝は10年ダイキン・オーキッド・レディースのアン・ソンジュ以来。7打差逆転優勝は02年廣済堂レディースの藤野オリエの11打差、98年東洋水産レディースの大場美智恵の8打差に次ぐ3位タイ。アマチュアの優勝は73年トヨトミ・レディースの清元登子、03年ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンの宮里藍以来3人目。

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