新谷 福士に完勝初切符!Qちゃん「素質は私の10倍」

[ 2012年6月11日 06:00 ]

優勝した新谷はカメラを前におどける

陸上 日本選手権最終日

(6月10日 大阪・長居陸上競技場)
 女子5000メートルは、すでに参加標準記録A(15分20秒)を突破していた新谷が、15分17秒92で優勝し、自身初の五輪出場を決めた。

 中盤から徐々にペースを上げると、2200メートルすぎに1万メートル優勝の吉川が脱落。さらに3000メートル付近で日本記録保持者の福士も突き放して独走。2000メートルすぎに福士が「新谷行け!」と声を掛けたことに反応したといい、「失敗してもいいから前に出ようと思った。福士さんに言われてうれしかった」と完勝劇に笑顔を見せた。

 岡山・興譲館高ではロンドン五輪女子マラソン代表の重友と同級生。全国高校駅伝ではエース区間の1区で3年連続区間賞を獲るなど当時から有名選手だった。憧れの存在であるシドニー五輪女子マラソン金メダリスト高橋尚子さんも「素質は私の10倍。マラソンをやれば、2時間17分で走れる」と認めている逸材だ。

 高校卒業後に豊田自動織機に入社し、高橋さんを育てた小出義雄氏に師事。所属先が替わった現在でも指導を受けている。厳しい練習に耐えきれず岡山県内の実家に逃げ帰ったこともあるが、今では個人の練習メニュー作成を任されるほど恩師の信頼を得ている。小出門下生では高橋さん以来の五輪切符。それでも満足はしない。「このタイムでは世界で戦えない。日の丸をつけるからには結果を残したい」とさらなる成長を誓っていた。

 ◆新谷 仁美(にいや・ひとみ=陸上女子5000メートル)全国高校駅伝で3年連続区間賞を獲得した。昨夏の世界選手権で決勝に進出し、13位。岡山・興譲館高出、ユニバーサルエンターテインメント。1メートル66、44キロ。24歳。岡山県出身。

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2012年6月11日のニュース