“ゴルフ界のアニキ”兼本 大御所金言生かし5位発進

[ 2012年5月25日 06:00 ]

10番、兼本はギャラリーの視線を浴びながら豪快なティーショット

男子ゴルフツアー ダイヤモンド・カップ

(5月24日 千葉県木更津市 ザ・カントリークラブ・ジャパン=7199ヤード、パー72)
 “ゴルフ界のアニキ”兼本貴司(41=フリー)が大御所たちの金言を生かして初日5位と好発進した。青木功(69=フリー)、尾崎将司(65=マックス・インターナショナル)の2人から同じアドバイスを受けてノーボギーの5アンダー、67をマーク。09年にはプロ17年目の初優勝を飾った思い出の大会で再び頂点を狙う。先週優勝のジェイ・チョイ(28=米国)が8アンダーの64で首位に立ち、藤田寛之(42=葛城GC)らが6アンダーの66で2位につけた。
【第1R成績】

 41歳のアニキにとっても“オヤジの小言”は重かった。今季初のノーボギーで初日を終えた兼本は「きょうは良かった」と気持ち良さげにたばこをくゆらせた。

 好スコアの要因に挙げたのが冷静なマネジメントだった。「これまでピンの根っこしか狙ってなかった。きょうは手前から攻めていこうと意識した」。トリッキーなコースとあって、ティーショットでもむやみに1Wを使わず頭脳的に攻略。インスタートの10番から着実にバーディーを重ねてノーボギーでまとめた。

 予選落ちこそないが、今季は波に乗りきれずにいた。その意識を変えてくれたのは2人のオヤジ。1人目は青木で先週、「ゴルフは飛ばすだけじゃないぞ。もっと頭を使え!」と声を掛けてもらった。もう一人はジャンボ尾崎。この日のスタート前、練習場から戻る途中で「易しいゴルフばかりしてちゃダメだぞ。頭を使え!」と言われた。「スーパースターは言うことが同じだな」と感心して聞いていたら案の定、好スコアが出た。

 この日は1歳年上の藤田、19歳も年下の藤本と同組。藤田とは若い衆のイキの良さに「キャンバスがまだ真っ白。いくらでも色が塗れる。俺たちはもうどこも描くとこがない」と笑い合ったというが、兼本も大御所2人から見ればまだまだ若いに違いない。

 3年前には茨城・大洗GCで行われたこの大会で初優勝を飾った。「この大会は毎年難しいコースばかりでやるので、ぜひもう一回優勝できたらいい」。意気込む兼本のキャンバスにもまだまだ真っ白な場所は残っている。

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2012年5月25日のニュース