有村、コースレコード65で今季初V「うれしくて幸せ」

[ 2012年4月30日 06:00 ]

18番、ロングパットでバーディーを奪い今季初優勝を決めた有村智恵は笑顔でVサイン

女子ゴルフツアー サイバーエージェント・レディース最終日

(4月29日 千葉・鶴舞CC=6400ヤード、パー72)
 左手首痛で今季出遅れた有村智恵(24=日本ヒューレット・パッカード)が、初日からの首位を守って逃げ切った。1番からの3連続を含む7バーディー、ノーボギーの65で回りコースレコードをマーク。通算15アンダーまでスコアを伸ばし、2位の横峯さくら(26=エプソン)に5打差をつけて今季初優勝、昨年10月のウイダー・レディース以来となるツアー通算11勝目を挙げた。
【最終R成績】

 最終18番で20メートルのバーディーパットを決めた有村は、グリーン上から笑顔でピースサインを送った。視線の先にはトレーナーとマネジャー、姉の美佳さん(26)。悩みや苦しみを共有してくれた人たちに、この優勝をささげたかった。

 「上がりもバーディーで本当に気持ち良く優勝が決められた。うれしくて幸せです」。1番からピンそば20センチにつける会心のショットで3連続バーディーを奪った。4番ではバンカーからホームランした後にチップインでパーセーブ。神がかったプレーも見せ、申ジエや横峯に詰め寄られたのも2打差までだった。

 「絶対に泣かないと決めてたけど最後に泣いちゃいました」。表彰式では笑顔が泣き顔に変わった。会見でも再び感極まったのは、帯同している女性トレーナーの話になった時だ。昨年から合宿を含めて一緒に行動しているが、8月に左手首を痛めた。その後もケガの状態は思わしくなく、シーズン終了後に「治してあげられなくてごめんね」と書かれたメールが届いた。「凄く責任を感じてたんだなと思ったし、結果を出して早く安心させてあげたかった」

 しかし、開幕戦を休んで臨んだ3月のフロリダ合宿中に再び手首に違和感が出た。「これでゴルフ人生は終わりかな」と練習を休むほど落ち込んだが、不安を取り除いてくれたのもトレーナーだった。手の仕組みについて書かれた本を手に、問題のないことを必死に「説得」してくれたおかげで再び練習に打ち込めた。

 2位に5打差をつける会心の勝利を「やっと私らしいゴルフができた」と喜んだが、単なる復活ではない。ケガを乗り越え、周囲の人に支えられてさらに強くなった。そんな印象を抱かせる復活Vだった。

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