満点18連発!松田 五輪前哨戦V 50メートルピストル

[ 2012年4月26日 06:00 ]

男子50メートルピストルで優勝した松田(中央)

射撃ロンドン五輪テスト大会兼W杯

(4月25日 ロンドン)
 男子50メートルピストルで、五輪代表の松田知幸(36=神奈川県警)が664・8点で今季初優勝し、通算5勝目を挙げた。世界ランキング2位につける松田は予選を2位に7点の大差をつける572点でトップ通過し、8人による決勝で逃げ切った。10年世界選手権の王者はロンドン五輪本番の金メダル獲得へ大きな弾みをつけた。

 各国の五輪メダリストを抑え、日本のエース松田がロンドン五輪の前哨戦で実力を見せた。約3カ月後に再び踏む会場で、8人による決勝は会心の出来ではなかったが、予選の貯金を守って快勝した。

 「ファイナルは本来の射撃ができなかったが、勝てたことで満足している。五輪の前哨戦で出来過ぎです」

 技と集中力を要求される競技で、不安定な風を読み、使い捨てカイロで手を温めながら季節外れの寒さとの戦いを克服した。「体が芯から冷えて集中力が大変だった」と苦笑いしたが、予選は10点満点を18連発する離れ業もやってのけた。フォームの微調整も順調で手応えをつかんだ。

 10年世界選手権で10メートルエアピストルと合わせて2冠を達成し、日本のロンドン五輪代表内定第1号となった。今大会前には「五輪の本番会場なので、照明などをチェックしたい。失敗してもいい。順位は度外視です」と話していたが、世界王者の実力を見せつけた。

 20日のエアピストルは決勝に進めず15位に終わったが、本番では開幕初日の28日に同種目があり、日本の金メダル1号の期待も膨らんできた。北京五輪では銃器の故障に泣いて50メートルピストル8位。「残り数カ月、気を引き締めて五輪に臨みたい。今度こそ照準をピタリと合わせる自信はある」と意気込んだ。

 ◆松田 知幸(まつだ・ともゆき)1975年(昭50)12月12日、神奈川県出身の36歳。横浜商大高まではバレーボール選手。神奈川県警入り後に射撃を始める。08年北京五輪は50メートルピストルで8位入賞。10年世界選手権は同種目と10メートルエアピストルで2冠を達成し、ロンドン五輪の代表内定選手1号に。1メートル74、70キロ。

 ▽射撃競技 五輪では、1896年の第1回アテネ大会からの歴史を持ち、参加国数は陸上に次ぐ多さを誇っている。散弾銃を使って空中を浮遊するクレーと呼ばれる皿を打ち壊すクレー射撃とライフル銃及びピストルを使って標的に射撃し、得点を競うライフル射撃がある。五輪でのライフル射撃はピストルとライフル(空気銃含む)を使用。50メートル(男子のみ)、25メートル、10メートルの距離が設定されている。ライフルは伏射、立射、膝射(しっしゃ)の3姿勢がある。

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