藍「オー・マイ・ガッ!」 勝利のフラダンスに赤面

[ 2012年4月23日 06:00 ]

米女子ゴルフツアーのロッテ選手権で優勝し、フラダンスを披露する宮里藍

USLPGAツアー ロッテ選手権最終日

(4月21日 米ハワイ州カポレイ コオリナGC=6421ヤード、パー72)
 宮里藍(26=サントリー)が逃げ切りで今季初優勝を飾った。3打差の単独首位からスタートし、4バーディー、2ボギーの70と手堅くまとめ通算12アンダーでフィニッシュ。一時は首位に並ばれたものの、後半に突き放して昨年7月のエビアン以来、米ツアー通算8勝目を挙げた。今週のモービルベイは欠場し、23日に帰国。日本ツアーのワールドレディース・サロンパス(5月3日開幕、茨城GC)に“凱旋出場”する。

 優勝セレモニーで宮里が踊り始めた。腰をふりふり、手をひらひら。沖縄のカチャーシーを踊っていたわけではない。花のレイをぶらさげて、フラガールに挟まれて、見よう見まねで歓喜のフラダンスを楽しんだ。

 「Oh my God!恥ずかしい」。会見でダンスについて聞かれると思わず両手で顔を覆ったが、これもハワイならではのセレモニー。「初めてだったけど楽しめた」と笑顔がはじけた。

 「とても長い1日に感じた」という最終日も、まるでフラダンスのごとくゆったりとした自分のペースを崩さなかった。前半で首位に並ばれても慌てない。「後半はパットを1つでも多く決めた選手が勝ちだと思っていた。落ち着いていたのがロングパットにつながった」

 我慢が報われたのはボギーを叩いた直後の13番パー5。3打目のアプローチはピンを大きくオーバーしたが、12メートルの下りのパットを沈めてバーディーをもぎ取った。さらに15番では左カラー6メートルからパターを使い、強気のタッチで流し込んで勝利を決定づけた。

 最大のライバルと目されていたヤニ・ツェンは後半に失速。今季2度の2位はいずれも圧倒的なパワーを誇るヤニ・ツェンに敗れてのものだったが、この日は宮里に軍配が上がった。

 強風の吹き続けた難コンディションでは、急ぐ、慌てるとは無縁のゴルフが強かった。宮里はスイングからしてマイペース。米国のテレビ局が中継で宮里とヤニ・ツェンのスイング時間を映像で比較したところ、ヤニ・ツェンがフィニッシュまで行った時点で宮里はまだトップにも達していなかった。始動からフィニッシュまで約2・6秒。「世界一スローなスイング」と海外メディアで紹介されることもあるが、ゆったりとしたリズムも徹頭徹尾貫くことができれば強さに変わる。それを優勝争いの中で続ける強固なメンタルも宮里には備わっている。

 「パットやショートゲームが決まれば、これだけかみ合ったプレーができるとあらためて自信になった」。柔よく剛を制す。この先も続くヤニ・ツェンとの争い。宮里は柔(やわら)のゴルフで突き進む。

 ▼日本女子プロゴルフ協会・小林浩美会長 優勝おめでとうございます。オフから高い目標を持って練習して、自信をつけて踏ん張るパワーが強化されたように感じます。年間5勝した時よりもパワーアップしているように見えますし、この感じならメジャーも狙えると思います。

続きを表示

2012年4月23日のニュース