“美少女リフター”八木かなえ、初優勝!ロンドンへ急浮上

[ 2012年4月14日 06:00 ]

女子53キロ級で優勝し、笑顔で声援に応える八木かなえ

重量挙げ全日本選手権第1日

(4月13日 福岡・北九州市立総合体育館)
 女子53キロ級で“美少女リフター”八木かなえ(19=金沢学院大)が192キロ(スナッチ86、ジャーク106)で初優勝し、ロンドン五輪代表候補に名乗りを上げた。既に五輪代表に内定し、今大会を欠場した三宅宏実(26=いちご)を除き、代表選考レースでは53キロ級の国内トップに浮上した。五輪代表は5月の日本協会の理事会で決定する。

 若さと愛らしいルックスで注目を集めていた美少女リフターの実力は本物だ。八木はスナッチで自身の持つ日本ジュニア記録を1キロ更新する86キロをマーク。さらにクリーン&ジャークでは1回目で104キロをミスしたが2回目で成功。最終3回目では106キロまで伸ばした。合計192キロ。2位以下に30キロ以上の大差をつけての圧勝だった。

 「ホッとしています。練習ができなくて不安や焦りがあった。スナッチは100点満点。ジャークは悔いが残るけれど、1位になれたのでよかった」

 「イチかバチか」の挑戦だった。3月31日の練習中、ギックリ腰を発症。2月に続く再発で、約10日間練習できなかった。座ると痛むため、大学の授業も90分間立って受けたほど。それでも勝負強さを発揮した。目標の200キロには届かなかったが、今大会失格に終わった具志堅美沙希(金沢学院大職)が昨年の世界選手権で出した189キロを上回り、選考レースで国内トップに浮上。五輪代表候補に急浮上した。

 5歳から始めた体操では中学時代に全日本ジュニア選手権(2部)で個人総合7位、種目別跳馬3位。北京五輪代表の新竹優子に勝ったこともある。重量挙げを始めたのは兵庫・須磨友が丘高1年。高校見学で練習を見てその迫力に魅了されたからだった。すぐに「股関節や肩の柔軟性は生かされている。すんなりフォームを取れる」と体操で培った能力を発揮。三宅宏実の高校記録などを塗り替えてきた。そしてわずか4年で日本のトップに上り詰めた。

 五輪代表は他階級の結果、他国の国際大会での成績を精査して決める。「凄い本気で狙っていたわけでは…。出られたら頑張りたい」。代表候補に急浮上して戸惑いも隠せない19歳。あとは吉報を待つだけだ。

 ◆八木 かなえ(やぎ・かなえ)1992年(平4)7月16日、神戸市生まれの19歳。5歳から中学3年まで体操をしていたが、兵庫・須磨友が丘高校入学と同時に重量挙げに転向。全国高校選手権3連覇。昨年、金沢学院大に進学。53キロ級で三宅宏実が保持していた高校、大学、ジュニア記録を全て更新した。「かわいすぎる美女リフター」としても有名で、テレビ出演は多数。自己ベストはスナッチ86キロ、ジャーク111キロ、トータル195キロ。1メートル52。

 ≪重量挙げの五輪出場枠≫日本女子は昨年の世界選手権の成績で4枠持っている。どの階級にエントリーさせるかは自由で、各階級1国2人まで出場可能。世界選手権53キロ級6位の三宅宏実、75キロ超級6位の嶋本麻美(金沢学院大職)が代表に内定。残り2枠の選考は昨年の世界選手権と全日本選手権が対象。4月までの国際大会の成績で各階級のランキング表を作成し、上位を狙える階級の選手を選考する。仮に三宅が53キロ級を選択しても、八木も同階級に出場することができる。正式決定は5月12日の理事会。日本男子は出場枠を持っておらず、26日開幕のアジア選手権(韓国)で再挑戦する。

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