桃子 病み上がりも無欲の1アンダー発進!

[ 2012年3月31日 06:00 ]

第1ラウンド、15番でティーショットを放つ上田桃子

USLPGAツアークラフト・ナビスコ選手権第1日

(3月29日 米カリフォルニア州ランチョミラージュ、ミッションヒルズCCダイナショアC=6738ヤード、パー72)
 2試合ぶりに復帰した上田桃子(25=フリー)が復調をアピールした。3バーディー、1ダブルボギーの1アンダー、71で回り、2バーディー、1ボギーだった宮里藍(26=サントリー)とともに18位。宮里美香と馬場ゆかりはともに75を叩いて77位。66をマークした梁熙英(韓国)が首位に立ち、世界ランク1位のヤニ・ツェンは2打差の3位につけた。

 上田本人も“想定外”のラウンドだった。ハイライトは中盤での3連続バーディー。9番で手前3メートルを沈めると、10番では7メートルをねじ込んだ。11番でも4メートルを決めて、一時は首位争いに加わる勢いだった。結局は1アンダーにとどまったが、それでも表情は明るい。「調子がいいと、凄く自分に期待しちゃうけど、きょうは全然、期待してなかった。凄くフラットな気持ちでいけた。アンダーパーで終われて良かった」と声を弾ませた。

 無理もない。一時は欠場も考えたほど体調は良くなかった。2週前の試合中に発熱と関節の痛みに襲われ、途中棄権した。翌週は欠場し、日本に一時帰国。母・八重子さんと明治神宮にお参りこそしたものの、ほとんどの時間を静養に費やした。「体のことを考えればここに来るべきじゃないのかも」とも思ったが、体を動かせない状況に逆にゴルフの楽しさを再確認できた。14番パー3で池に落としてダブルボギー。「ガーンって来たけど、気持ちは切り替えられた」と引きずることなく、その後はパーでまとめた。

 米ツアーに挑戦したいと思ったきっかけはこのクラフト・ナビスコ選手権。「(優勝者が)池にダイブするのを見て米ツアーに興味を持った。いつか勝ちたい試合」という。思い入れの強い大会ではあるが、病み上がりの分、この日は肩の力が抜けていた。「ラウンドを通して徐々に調子が良くなっていったのが次につながると思う」。災い転じて福となすか。首位とは5打差。無欲の初日から一転、2日目以降は優勝争いも意識してのラウンドとなる。上田の真価が問われるのはこれからだ。

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2012年3月31日のニュース