藍 1打差2位!今季初Vお預けもメジャーに弾み!

[ 2012年3月20日 06:00 ]

笑顔でラウンドする宮里藍

USLPGAツアーRRドネリー・ファウンダーズ・カップ最終日

(3月18日 米アリゾナ州フェニックス・ワイルドファイアGC=6568ヤード、パー72)
 首位でスタートした宮里藍(26=サントリー)は惜しくも1打差の2位に終わった。世界ランク1位のヤニ・ツェン(23=台湾)、同2位のチェ・ナヨン(24=韓国)と最終組で三つ巴の優勝争いを展開。雷によって3度も中断しながら69とスコアを伸ばし通算17アンダーとしたが、要所でパットが決まらずに今季初優勝はお預けとなった。それでも今季は開幕から好調をキープ。今季メジャー初戦となる来週のクラフトナビスコ選手権(29日開幕、米カリフォルニア州ミッションヒルズCC)に向けて大きな自信を得た。

 8時間以上に及んだラウンドを終えて宮里がスコア提出場から出てきた時には、辺りは真っ暗になっていた。それでも「終わったあ。今何時ですか?」と報道陣に問いかける表情には戦いきった満足感だけがあった。

 前日までの暖かさが一転、アリゾナとは思えない寒さの最終日。雷で3度中断し、雨はおろか、ひょうまで降った。かと思えば太陽の照りつける時もあった。だが、天候にもタフな相手にも動じなかった。ヤニ・ツェンとチェ・ナヨンはともにロングヒッター。8番パー4ではチェ・ナヨンに30ヤード置き去りにされ、曽雅?には3Wで15ヤードもオーバードライブされた。しかし、残り180ヤードから7Wで先にピン奥2メートルに乗せると、アイアンで打った2人の2打目はそろって池に落ちた。「寒くて飛距離も落ちて2人より全然飛ばないのに最後まで粘れたのは自信になる」。ショットの安定感は抜群で、この日のボギーは1つ。4日間合計でも2ボギーと米ツアー自己最少を記録した。

 精いっぱいのプレーを見せたからこそ、1つだけ恨み節も言いたくなった。「日の入りが早いから、中断後はウオームアップなしでコースに戻らされた。体が温まっては冷えての繰り返し。私にとってはそれが厳しかった」。繊細さと集中力で勝負する宮里には余計に大きく感じられた。日没を気にしなくていい十分な時間があれば、チャンスを逃し続けたパッティングの出来も変わっていたかもしれない。

 ホンダLPGAの最終日(2月19日)と同じく、最終組でのヤニ・ツェンとのつば競り合いで1打差の2位。「相手が一枚上手」と認めた前回に比べ「きょうは彼女に負けたというより自分がチャンスを決められなかった。勝つチャンスはあった」と手応えは大きくなった。

 「あとひと踏ん張りで優勝できる。メジャーに向けてもいい流れに乗っていきたい」。来週にはクラフトナビスコ選手権が控えている。ここで味わう悔しさは、悲願のメジャー初優勝のため。そう考えれば、さらに前を向いて進んでいける。

 ◆藍は7位浮上 女子ゴルフの19日付世界ランキングが発表され、宮里藍が前週から2つ順位を上げて7位となった。有村智恵と横峯さくらは1つずつ下げ、それぞれ16位と22位。馬場ゆかりは25位のままだったが、宮里美香は3つ後退し27位。トップは曽雅?(台湾)が守り、上位6位までの順位は変わらなかった。

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